札幌市議会 > 2008-03-06 >
平成20年第一部予算特別委員会−03月06日-04号
平成20年第二部予算特別委員会−03月06日-04号

  • "後見人"(/)
ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2008-03-06
    平成20年第二部予算特別委員会−03月06日-04号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成20年第二部予算特別委員会−03月06日-04号平成20年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第4号)               平成20年(2008年)3月6日(木曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32人(欠は欠席者)     委 員 長  大 嶋   薫      副委員長   細 川 正 人     委   員  伊与部 年 男      委   員  川口谷   正   欠 委   員  猪 熊 輝 夫      委   員  ふじわら 広昭     委   員  林 家 とんでん平    委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  小 川 直 人      委   員  宝 本 英 明     委   員  山 口 かずさ      委   員  大 越 誠 幸     委   員  武 市 憲 一      委   員  三 上 洋 右     委   員  馬 場 泰 年      委   員  鈴 木 健 雄     委   員  勝 木 勇 人      委   員  山 田 一 仁     委   員  佐々木 みつこ      委   員  小 嶋 裕 美     委   員  飯 島 弘 之      委   員  義 卜 雄 一     委   員  青 山 浪 子      委   員  涌 井 国 夫     委   員  芦 原   進      委   員  福 田 浩太郎     委   員  井 上 ひさ子      委   員  宮 川   潤
        委   員  岩 村 米 子      委   員  坂   ひろみ     委   員  伊 藤 牧 子      委   員  松 浦   忠     委   員  佐 藤 美智夫       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時 ○大嶋薫 委員長  ただいまから、第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、猪熊委員からは欠席する旨、また、大越委員三上委員からは遅参する旨、また、五十嵐委員からは佐々木委員と、三浦委員からは涌井委員と交代する旨、届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第3款 保健福祉費 第1項 社会福祉費について質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  3点質問をいたします。  まず最初に、過去10年間、社会福祉法人に関する不祥事について、どのようなことが、どこの法人で、どういう内容の不祥事があって、そして、札幌市は、それに対してどう対処し、さらに、市役所として今後そういうことが再発しないようにどう対応策をとられたか、これを具体的に示していただきたいと思います。これが1点目であります。  2点目は、三丁目食堂に関する問題であります。  三丁目食堂に関しましては、最初に新聞報道がありました。そして、市役所の談話なども出されておりました。市長の談話もありました。その後、被害者を救済する目的で弁護士がついて、裁判所に提訴があったというふうに聞いております。これらの内容を聞きますと、札幌市の当事者に対する調査の内容の議会に対する報告、それから新聞報道内容、それから、弁護士が被害者にかわって発表する内容、3者にそれぞれ食い違いがあります。この点について、どういう食い違いがそれぞれに発生しているのか、あるのか、この点を示していただきたい。これが2点目。  それから、3点目は、障がい者の雇用を義務づけた法律があります。市長は、今回当選してから、障がい者の雇用促進の大きな柱の一つとして、札幌市から仕事を受注する業者に対して、障がい者をしっかり雇用していれば評価点数に加算をする、言ってみれば受注機会の優先順位を上げていく、わかりやすく言えば、こういうふうに言える政策を発表しております。  ところが、私が調べたところによると、今、札幌市が出資している36の関与団体の中で、いまだに法律に基づく雇用数に達していないところがあるのですが、この達していないところはどの団体で、何名雇用するところを何名しか達していないか、この3点についてまずお伺いいたします。 ◎伊藤 監査指導室長  1点目の過去10年間の社会福祉法人の不祥事の内容とその対処、あるいは防止策をどのようにしているかということで、私の方は社会福祉法人の監査を担当しているということで前段の方をお答えいたします。  社会福祉法人の過去10年については、障がい関係の社会福祉法人の取りまとめでございますけれども、余り具体的に説明しますと長くなりますが、まず、平成11年に社会福祉法人久里の丘で補助金の水増し請求の不祥事がございました。それから、平成14年に札幌育成園という知的障害者更生入所施設でございますが、これは利用者、入所者の年金の法人への寄附強要というような不祥事がございました。それから、平成15年に社会福祉法人光の森学園というところから、保護者会管理の利用者の年金の使途不明金の問題が起こりまして、これは施設長の不適正な流用ということになります。そういう不祥事がありました。それから、平成16年に社会福祉法人HOPで補助金の不正受給という問題がありました。それから、平成17年、社会福祉法人山の手リハビリセンターが、法人運営とは関連性のないパラオ共和国に視察旅行に行ってその経費を法人から支出した、そういうような不祥事がございまして、以上、監査指導室として把握しているのは5件です。  これは、いずれも定期監査あるいは臨時監査等で判明した内容でございまして、その対処につきましては、悪質なものは刑事告発、あるいは返還請求、文書指導を行っております。  監査指導室としてのこういう不祥事に対する防止策でございますが、預かり金等の問題あるいは年金等の不正防止という観点から、預かり金取り扱い規程というものを各施設が持っておりますけれども、それに基づいて適切に対処しているかどうか、あるいは、社会福祉法人社会福祉施設保護者会などが利用者から管理を受託している場合、その管理内容が適切であるかどうか、それから、保護者会が管理している場合でも、保護者会の協力を得て監査を実施するなどの強化を図っております。また、こういった不適正な問題に絡みましては、関係部局と協力しながら継続的、持続的に不祥事が続いているといいますか、一度あった社会福祉法人に対しては継続的な監査を厳正に行うというような防止策をとっております。また、体制的にも平成17年度、18年度に経理関係の嘱託職員、あるいは監査の担当係長1名を増員するなど体制の充実も図っております。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  三丁目食堂の報道と、それから、私どもが調べた、あるいは関係者から事情聴取した中での事実との食い違いについてどのようなことがあるかというお尋ねでございます。  まず、労働の関係でございますけれども、新聞報道等を見ますと、4人の方が1日12時間以上働かされていた、給与が支払われていなかったという報道がございました。給与が支払われていないというのは、私どもも確認をしております。  労働時間についてですが、朝、食事の仕込みが大体7時ぐらいから始まりまして、その後、9時ぐらいまででその仕込みが終わり、11時に昼の食事の準備が始まるまでの間、2時間程度は休憩時間があった、それから、昼食の時間が終わりまして、夕食の時間までの間、およそ2時から6時ぐらいまでの4時間程度は、お客さんがいないということでの休憩時間が実質上あったというふうに認識しております。  それから、仕事中、トイレに立ってもどなられたという報道がございましたけれども、これについては、厨房内にトイレがあり、利用が可能であったということを確認しております。そこに行くのにどなられたという事実はなかったのではないかというふうに思っております。  それから、食事の問題です。食事が満足に与えられていなかったということについてでありますが、食事の頻度につきましては、ご本人の希望により2食の方と3食の方がいた。この経営者の方たちも2食だったということで、希望により2食だった方もいたということであります。その食事の内容でありますが、基本的には全員が同じもので、主に朝、昼食、夕食は同じようなものを食べる。食堂ですので、ある食材の中で余ったもの、あるいは、つくる場合もあったようですが、大体同じようなものを食べていたという証言を得ております。  立ったままということにつきましては、一般の多くの食堂では厨房内で立ったままで食べることが多く行われているようでありまして、この食堂においても、経営者を含めて、従業員は仕事中は立ったままで食べる。お休みの日は、食堂内の小上がりといいますか、席に座って食べていたということを当事者の方からも聞いております。  それから、下着は汚れたものをずっと着ていたという報道がございました。確かに、お1人の方はそういうことがあったようであります。本来、洗濯は自分たちでするようにということにしていたようでありますが、このお1人の方は、経営者の方が指導してもなかなか洗濯をせず、汚れたものをしまってまた着てしまうことがあったと聞いております。  それから、歯磨きについてですが、お1人は、歯に緑色の歯石のようなものがついていたということで報道されております。これは、お1人の方でありまして、その方は先ほどの洗濯の方と同じ方ですけれども、指導してもなかなか歯磨きをしようとしないと。一緒に働いていた当事者の方が言ってもしなかったと言っておられますけれども、そういうことがあったようです。経営者の方では、電動歯ブラシを買って与えたけれども、それもたんすにしまい込んで使われなかったという発言をしております。  以上のような内容が食い違いとしてはあるかと思います。  それから、札幌市の出資団体におきます障がい者雇用率達成状況、未達成のところはどのくらいあるのかということです。  これは平成19年1月の調査結果でございますが、全部で36団体ございますけれども、そのうち6団体が未達成となっております。雇用者数の足りない人数はどうかということにつきましては、3名足りないところが2カ所、1名足りないところが4カ所となっております。 ◆松浦忠 委員  私は、弁護士が訴訟を起こしたその内容と新聞報道市役所発表と、この違いをと言ったのですが、訴状については見ていないのですか。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  訴状については見ております。 ◆松浦忠 委員  その違いは。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  訴状の内容は、報道の中では、弁護士の方が語られたことが大体そのような形で報道されていることが多い。そういう意味で、報道の中身とかなり一致しているのかなと思っております。 ◆松浦忠 委員  そこでまず、三丁目食堂の件、新聞報道と訴状が一致している、そして、市役所が本人と経営者に聴取したら新聞報道と食い違っている、こういうことになるわけですね。どの部分が、市役所の調査と訴状とどういうふうに違うのか、まずこれを説明していただきたい。これが一つあります。  それから、今お答えがあった中で、障がい者雇用の法定数に達していない6団体、具体的に名前を挙げてください。どの団体が何名未達成か、何名雇用のところ、何名雇用で、何名未達成か、具体的、個別に団体名を挙げてください。  それからもう一つ、監査指導室長にお尋ねします。  経理担当監査係長を1人置いたということですが、税理士の資格などを有した人なのか、あるいは、資格がないけれども、一生懸命やって明るい人を置いたのか、そのことをお尋ねします。 ◎中田 保健福祉局長  1点目の訴状との相違ということでございます。  私どもが入手しております訴状の内容は、私もすべて見ておりますけれども、これは当事者に送致されたものではない、私どもが非公式に入手したものでございます。中身がかなり詳細にわたっておりまして、ここで具体的にどこがどうということは、訴訟の中身にも及ぶことでありますので、その辺についてはここではちょっと申し上げられないというふうに思います。  ただ、代理人となられた弁護士が直接テレビでご発言をされているといったような内容で、今、部長からご答弁した内容も、報道された内容と私どもが調査した内容との相違と思われるところを述べさせていただいたものでございますので、その点はご理解をいただきたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  出資団体における未達成の団体名でありますけれども、まず札幌市水道サービス協会が3名足りません。それから、札幌市公園緑化協会が1名不足しております。それから、札幌市在宅福祉サービス協会は3名不足しております。札幌市福祉事業団が1名、札幌ドーム1名、北海道熱供給公社1名不足という結果になっております。 ◎伊藤 監査指導室長  人材の充実のご質問にお答えいたします。  先ほど説明いたしました人材体制につきましては、平成17年に担当係長1名増ということですが、これは一般事務職の増でございます。それから、経理担当は嘱託の方1名を18年度に増員しておりまして、この方につきましては、税制あるいは経理事務等の内容にきちんと対応できる人材ということで、1名の増員を嘱託でさせていただいております。 ◆松浦忠 委員  私は素人ですからちょっとお尋ねしますけれども、代理人の弁護士が既に裁判所に訴状を提出しているわけですね。札幌市には、まだ裁判所から訴状の送達がないのですか。(「ない」と発言する者あり)  ないと。わかりました。  それでは次に、この新聞報道では、3月4日の朝日新聞の夕刊に、札幌市は7年前にこのことを知っていて、そして白石区役所に通知した、こういう事実が報道されていましたけれども、我々議会はそのことについて理事者側から何一つ報告を受けていません。  まず、この問題について、いつわかったのか。私は、新聞を見て感じるのは、この間のイージス艦のあの事故における防衛庁の報告と、札幌市役所の報告と、何か似ているな、そんな感じを受けるのですよ。まず、正確に、いつ、どういう状態で、だれが知って、どこに送達をして、それがどこでどのようにしてとまっていたのか。私は、そういうことをまずこの委員会できちっとあなた方から説明されるかと思って黙っていたのだけれども、黙っていたら、しないものね。本来なら、この前の厚生常任委員会で説明したのですから、それ以降に起きたことについて、いいですか、この委員会が開会したら、冒頭に委員長に発言を求めて、市長が陳謝をし、その経過について報告する、これが世の中の当たり前のことでないですか。  したがって、これについて、改めてきちっと説明をしてください。まず、これを求めます。  それから次に、監査の関係であります。  私は、これは大事な人事権にかかわることですから、市長に質問いたします、監査の関係は。  札幌市の職員の中にも、小樽商大などを卒業されて税理士の資格を持った職員が何名かいらっしゃいます。私は、やはり、こういうところにそういう職員を充てる、このことが適材適所になるし、より即戦力として、そして、国家資格があるのですから、監査に対する権威もまた持てる、こういうことにつながると思うのですが、なぜそのような人事配置をされなかったのか。  市長は一人一人のことがわからないにしても、基本的に適材適所ということは就任以来言っておられるわけですから、私は、これは市長に、なぜそういう人事が行われなかったとお思いか、この点について、ひとつ市長の思いを、おれの言ったことをみんなやってくれないなと思うのなら、その思いをひとつ開陳いただきたいというふうに思います。  それから次に、障がい者の雇用の問題であります。  これは、きょう、私が初めてする質問ではないのですね。去年の3月の第1回定例会で、私はこのことを質問しております。そして、この中で、6団体が足りないということでありますが、特に在宅福祉サービス協会が3名足りないとか、あるいは、福祉関係のもう一つの団体が1名足りないとかありますけれども、これはもう一度、さっき私が質問したのは、何名雇用すべきところを何名雇用しているのかという数字を明らかにしてくださいと言ったのですよ。したがって、もう一回、答弁をお願いします。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  1点目の平成13年時点での記録、おとといの朝日新聞の記事の関連についてでございます。  2月26日の厚生委員会で、大嶋委員より、3名の方の更生相談所における前回の判定時期とその内容についてというご質問がございました。そこで、私から、13年8月にお1人の方が判定を受けており、その時点の記録では、検査時に本人に疲労が見られることから、かなり長時間にわたって勤務していることも考えられるという記録があったということでご報告をさせていただきました。  その時点でどのようなことをしていたのか、していなかったのかということでございますが、この判定記録に基づきまして、更生相談所の方では、白石区役所に対して電話で担当のケースワーカーに調査を依頼いたしました。担当のケースワーカーは、現地に行って調査をした結果、問題がなかったと見られるという内容で更生相談所の方に報告をしたということで、更生相談所の方では認識しておりました。  しかし、この判定記録以外のやりとりの部分につきましては記録が残っておりません。具体的にどのような調査をし、どのような事実をもって問題がないと判断したのかという経過につきましては、当時の担当者にも確認いたしましたが、記憶がなく、確認できていない状況であります。  それから、3点目の出資団体における雇用未達成状況の件であります。  水道サービス協会におきましては、6人雇用すべきところ、3人足りない状況です。公園緑化協会におきましては、お1人雇用すべきところ、ゼロである。それから、在宅福祉サービス協会では、5人雇用すべきところ、お2人の雇用で3人足りない。それから、福祉事業団におきましては、お1人雇用すべきところ、ゼロである。それから、札幌ドームにおきましては、お1人雇用すべきところ、ゼロ、北海道熱供給公社につきましても、お1人雇用すべきところ、ゼロとなっております。 ◎上田 市長  三丁目食堂との関係での監査ということでのご質問だというふうに思いますが、三丁目食堂の問題については、当市の監査の対象外であるというふうに聞いております。  それから、監査をやるならスペシャリストをというふうなお話でございます。税理士資格のある方を職員の中から配置するべきである、そういうご意見でありますが、そういう考え方もあろうかというふうに思います。  いずれにいたしましても、今現在、経理にしっかり精通した職員をきっちり配置し、もちろん新人等についてはそういう経験がない方もおられますけれども、全体的な監査の手続といいますか、それは円滑に行われている、このように認識いたしております。 ◆松浦忠 委員  私は、三丁目食堂について言えば、今回こういう問題が起きたときに、市長の記者会見で私はがっかりしたのですよ。十分に対応し切れていなかったと、あのコメントを見たら、どこかよそごとみたいなことなんですね。こういう事態が起きたことに対して札幌市長としての責任を感じているという強い意思というのが、あの新聞とかテレビの市長の談話を聞いた限りでは感じられない。私は極めて残念に思いました。これでは、一体この人たちはだれが守るんだろうか。  特に、私が市長に尋ねたいのは、職親会を通じて障がい者を雇用していただいている会社に対して、事業所に対して、この人たちを指導するための指導手当というものを、当時の職親会の会長であった、元市会議員もされ、札幌市では各種審議会の会長にも重用されて、識者と言われる加藤 亨先生の要請によって、この指導手当というのが各企業の指導担当者に払われております。1万円弱の金が払われております。  この金が払われるということは、払ったということは何かといえば、本来、札幌市が雇用されている職場の調査に入って、事業主に対して適正に仕事ができるようにお願いしたいということを、調査かたがたお願いに歩かなきゃならぬ、しかし、そこまで手が回らないから、手当を払って会社の専任の方にそのことをお願いしている、こういうことだと私は理解しているんです。だとすれば、市長のああいう談話というのは、どこから出てくるのだろうか、こう思うんです。  そこで、その談話について、この見解について、まず市長にお尋ねしておきます。  それからもう一つは、市長、今、市長がスペシャリストを配してと言いましたけれども、それでは、日本の国の資格制度というのは一体何なのですか。あなたも弁護士の資格を持っていますね。税理士というのは、札幌市の職員であって、なおかつ、その税理士の人が監査事務局担当職員となって監査したならば、少なくとも、市役所内部だけではなくて、日本の国内でそれはちゃんと世の中に認知される監査結果なんですよ。それが資格制度なのです。だから、私は、資格のある職員がいるのだから、そういう職員を配置するのが市長が常々言っている適材適所の配置ということになりませんか、その市長の意向が実現されていない、このことについて市長はどのように思いますか、私はこう尋ねたのです。  おれの思うようにはなかなかいかんなというなら、それでいいのです。今後またちゃんと言わなきゃいかん、これならこれでいいのです。その辺のところをやっぱり率直に、話をするとき、語るときには語るということが大事なのです。  したがって、再度、そのことについて、私が尋ねているのはその1点なのですから。監査指導室経理担当を置いた、その職員配置はというのは、私が言っているのはそこなのです。  それから次に、三丁目食堂の関係で言えば、私は、札幌市の障がい者に対する、雇用主を含めて、あるいは、こういう福祉事業をやっておられる団体で過去に不祥事が起きていますけれども、私は、やはり国の法律に基づいてきちっとこういう人たちを守ってあげる、こういう施策が講じられて、札幌市は国にかわってその任に当たっているわけですから。したがって、それがきちっと守られて、国の法律に基づいてお金が支給されている、そのことがちゃんと行われているかどうかということを、やっぱり、札幌市は、常日ごろ、全部手が回らなくても、例えば2年に1回でも3年に1回でもきちっと見て指導して回る、こういう責務があると私は思うのですよ。  この前、私が厚生常任委員会で番外で発言したとき、局長は何と言ったかといったら、例えば私が監査指導室の話をしたら、それは1種の云々なんていって、規則どおりの責任逃れの答弁しかしませんでしたけれどもね。私は、そういう意味ではなくて、もっと、お金を出している、法律で守ってあげている、そうしたら、その責務に当たっているところは何をしなければいけないか、このことを私はあなた方に問うているのです。  これについて、どう考えているのか。もっと踏み込んで言えば、こういうことですよ、市長。福祉というのは、それにかかわる人たちというのは、根本の気持ちに何が必要かといったら、まさに慈悲の心なんです、慈悲。この心が根底になくして、福祉に携わる資格はないと私は思っているのですよ。こういうようなことが全く職員の皆さんの中に欠けている、特に幹部職員の中に欠けているからこういうようなことになってきているんだということを私は指摘せざるを得ない。  したがって、私が今言ったことに対して、どういうようなことで具体的に対処しようとしてきたのか、そのことについて、これは局長にお尋ねをいたします。(発言する者あり)あのね……。 ○大嶋薫 委員長  松浦委員、質問を続けてください。 ◆松浦忠 委員  (続)勝木さん、あなたは質問をほとんどしていないけれども、何か、不規則が多いね。 ○大嶋薫 委員長  質問を続けてください。質問打ち切りですか。 ◆松浦忠 委員  (続)しますよ。今、不規則発言があったから、それに答えておったの。 ○大嶋薫 委員長  答える必要はありません。 ◆松浦忠 委員  (続)そうですか。  続いて、障がい者雇用の関係ですけれども、これも市長にお尋ねします。  市長、私は、去年の3月の予算議会で、少なくとも市長が人事などを含めて支配権を持っている出資団体については早急に埋めてくださいと要請したはずですよ。いまだにこれが埋まっていない。どういうことで埋まらなかったのですか。これについて、市長からご説明をいただきたいと思います。 ◎中田 保健福祉局長  前回の厚生委員会松浦委員からご質問をいただいて私が答えた件についてであります。  今のお話ですと、何か監査のことについてのみ、それを中心にお答えしたというようなご指摘でありますけれども、私自身はそのような答弁をしたつもりではございません。当時、人権の問題、あるいは職員に人権意識がないというようなご指摘をいただいて、私は、これまで、札幌市の保健福祉に携わる職員にそのような人権意識がないとおっしゃられても、それはそうですとは申し上げられないと。やはり、人としてこの世に生を受けて、その可能性はだれも否定されない、どんな状況の人もそれを否定されない、そういうことを私たちはしっかり持ってきたつもりでありますが、今回このようなことが起きて、それが至らなかった、及ばなかったという認識のもとで反省をしておりますということを申し上げたつもりでございます。監査ということにも言及したかもしれませんけれど、私の気持ちとしてはそういうことでございます。  今、内部で真剣に検討しておりますが、やはり、このような市の職員の意識の問題、それから、市の連絡体制といいますか、そういうもの、それからもう一つは、今は、かつてのように行政が一方的にお金を持って、権限を持ってやる、そういう措置ではありませんので、やはり契約関係で事業者が利用者の方にサービスを提供するという状況の中で、今回のような事例を含めて、私どもは行政としてどのように適正に行われるのか、より充実させていけるのかという検討もしたいと思います。  またさらに、多くの方々のそういう指摘、ご意見を受けとめるアンテナといいますか、そういうものもしっかり持っていかなければならないということで、次々に続いておりまして、ここでおさまるということがなかったので、いま一つ時間が経過しておりますけれども、私どもは今そういう中で検討しております。 ◎上田 市長  三丁目食堂について、記者会見の際に一番最初にお尋ねいただいたことに私がどのように答えたかということについて、福祉に対する考え方がなっていないのではないか、こういうご指摘でございますが、私は私なりに、当時の情報の中で、非常に残念なことであるということでお答えをしたつもりでございます。  昨日の新聞でございましょうか、01年から疑いがあると指摘をされていたということが報じられまして、私も、そのことは、近時、知ったことでございます。当時、定例記者会見がございましたときに知っていた事情等から言いますと、全体から言いますと、平成18年11月から平成19年、昨年の6月4日まで、この間の実体的な調査をしっかりやっていないということについては、私は非常に残念だというふうに申し上げたつもりでございます。そして、その後出てくるさまざまな不確定な事実がございますので、そこのところまで踏み込んでお話をしておりませんけれども、だからといって、福祉の心がないというふうに責められるのは、私としては少し心外であるということを申し上げなければならないというふうに思います。  いずれにいたしましても、知的障がい者については、当然のことながら、さまざまな手当を支給し、発覚したときは、記者会見時でございますが、当時、平成18年11月の段階では既に給付の対象から外れているというようなことから、なかなか実体的な把握に立ち入るのはどういう手続でやったらいいのかということについて迷いがあったというふうなお話は聞きました。しかしながら、一般条項といたしまして、知的障害者福祉法第9条の3というところに、市長村長は知的障がい者についての実態把握をきっちりとやるべきだ、やるということが記載されております。その一般条項を使ってでも、とにかくこういう情報をキャッチしたときには直ちに実態調査にしっかりと取り組むべきであると、私もそのように考えているところであります。当時、6カ月、7カ月の間は、どう見ても私ども行政としての役割に非常に問題があっただろう、こんなふうに当時は申し上げたということでございます。  それが、今日の段階になって同じことを申し上げるかというと、もう少しまた違う事実もわかってきておりますので、そういう意味ではまたつけ加えなければならない、こんなふうに思っております。  それから、監査の問題でございますけれども、これは、全庁的に税理士資格のある職員の方が何人いるかということについて、今、私はつまびらかにわかりません。もしそういう方がおられるにしても、税理士だから会計監査ということには、もちろんそれで力を発揮していただけると思いますけれども、税理士の資格のある者が、その知識をもってほかの業務についてもやはり重要な役割を果たすことができる場合があれば、それは選択配置の問題としてしっかり総合的に考える必要がある、こんなふうに思います。会計監査事務局の方に配置して仕事をしていただくのも一つの方法だとは私も思いますけれども、それが絶対であるということではないというふうに申し上げなければなりません。  それから、出資団体36団体のうち、法定雇用数を満たしていないのが6団体あるという状況についてご報告を申し上げました。まだ6団体あるということについて、私は残念に思いますし、これは法定でございますので、それはしっかり努力するべきだということを今申し上げているところであります。  ご指摘の17年度の調査のときには、未達成団体が11団体ございました。そして、私どもは、これは法定雇用数でありますので、当然のことながら、それを満たすように、あるいは、最低限が法定雇用数でありますので、それを超える障がい者の就職、就業を促進することに努めようということは申し上げているところであります。  その結果、2年経過した段階で11団体から6団体に減少したということは、まだまだでございますけれども、努力の結果が少し出ているのかな、こんなふうに考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  中田局長、この10年間のものを皆さんから資料で出してもらいましたよ。今まで、起きるたびに、監査に入った、それから、今後こういうことがないように内部でこういう対策を講じるということで、毎回、議会に示すのですね。しかし、結果としてそれが、人事異動もあるせいなのか、役所は文書保存期限があって一定の時期が来たらそういうものは投げてしまうのか、どっちかわかりませんが、さっぱり継続性がない。だから、こういうことが繰り返し行われているということなのですね、結果から見ると。  したがって、私は、改めて皆さんに求めておきたいのは、やっぱりこういう不祥事があったことは、きちっと一つのマニュアル本にして、事例集にして、製本してちゃんととっておく、そして、関係職員みんなに、新しい人が来たらそれを配布して読んでもらう、最低限こういうことでもしなければだめではないですか。こういうことについて、最低限しようとするかどうか、まずこれが一つ。  それから、二つ目、さっき電話で白石区の方に連絡したと。私は、やっぱり、こういう大事なことは書面できちっとやりとりして、それこそ永久保存にして残しておく、そして本当に仕事にかかわる人がそういうものを読んで、こういうこともあるな、ああいうこともあるなと、新しい人が人事配置になってきたら読んで、そして、そういうことに気をつけていくと。私は大事な教本だと思うのですよ。そういうこともぜひやってもらいたいと思うけれども、これが二つ目であります。  あと、心構えは、こんなものは何ぼ説いたって、それぞれの人の頭の中はだれも制御することはできませんから、これ以上言いません。この2点を少なくとも最低限やっていこうとするかどうか、その点についてだけお答えください。  それから、指導手当の関係です。
     これは、やっぱり出しているわけですから、札幌市は、監査室が担当するのか、どこが担当するかわかりませんけれども、少なくとも保健福祉局として、指導手当を出している職場を回るか、あるいは、回り切れなかったら、1年に1回でも2回でも、手当を支給している本人にお集まりいただいて、そして、きちっと報告書も出してもらって、1年に1回はその本人からどういう指導をしたかというような報告書を出してもらう。  それから、研修です。やっぱり、1年に1回ぐらいはその人たちにお集まりいただいて研修することが大事だと私は思うのです。そういうことについても新たにやっていただきたいと思います。多少のお金でできる話ですから、そんな大々的に予算がかかるということではないですから、したがって、そういうことについてやろうというお考えになられるかどうか、この点も局長にお尋ねしておきたいと思います。  それから、市長、職員配置について、私はなぜこうやって申し上げるかといったら、私は、前に監査指導室にそういう経理担当をということを言いました。確かに監査指導室に何人かいたと思います。  ただ、やっぱり、こういう不祥事が起きて、特別に保健福祉局の監査指導室にそういう担当を置かなければならないとなったら、即座に対応しなければならないのですから、そういう人を異動させておくことが即座に対応していけることに、人事の効率性からいっても必要なことだと私は思うのですね。そういう意味で、きちっととらえて人事配置をやっていただきたい、私は市長にこう求めたいのです。  これについて、市長は、さっき多方面のお答えをいろいろされておりましたが、多方面もわかるけれども、即、応急手当てをどうするかと。救急手当てをしなければならないわけですから、そのときに、新しい人が行って、どこにメスを入れるか、どこを縫うかなんてやっていたら間に合いませんからね。したがって、そういう人事配置をすべきではないですかと、わかりやすく言うと市長にそこを求めているのですよ。それについて市長はどうお考えになるか。  それから、障がい者の雇用ですけれども、市長、これは、札幌市が全部委託費を出して、そしてやっていただいているところなんですよ。市長が、これはだめだよ、今だったら、4月までに何としても全部埋めてください、そうでないと4月からの委託費は少し削らざるを得ないよと。だって、民間会社は、法定雇用数を達成しなければ、その分、罰金を払っているわけですね。  私も不勉強なのですが、ちょっと教えてください。こういう出資団体などは、法律の適用で、民間会社並みに、採用していない場合に罰金を払わなければいけないのですか。罰金という言葉はあれですけれども、何と言うのですか、違反納付金と言うのですか、正式な言葉はわかりませんが、一言で言えば俗に言う罰金ですね。こういうものも払わなきゃならないことになっているんですか。なっているとすれば、1人雇用しなかったら幾ら罰金を払ってもらっているのか、それも示していただきたいと思います。  これについては、市長、4月1日までまだ3週間ぐらいあるのですから、とにかく4月1日には全部そろえてもらうという決意で、雇用してほしいという人はいっぱいいるのですから、したがって、それぞれの団体に4月1日に間に合わせて雇用するように、そうでなかったら、これに関する助成金は、補助金、委託料など、ちょっと割り引きするよと、こういうことがあっても私は何もおかしくないと思うのですよ。これもぜひやっていただきたいと思うのですけれども、これもあわせてお答えいただきたいと思います。 ◎上田 市長  法定雇用数に満たない出資団体が現に存在するということでありますので、私の方は、従前に申し上げておりましたように、これは達成するようにしっかりやってほしいということを再三申し上げているところであります。ただ、業務の性質からなかなか難しいというふうな諸般の事情があって今日まで達成していないというふうに思います。しかし、それでよしとするものでは決してありませんので、鋭意努力をして、それを達成するように、そして、あるいは、その法定数を超える雇用促進に先頭に立って頑張れというふうに私の方から助言していきたい、このように思います。  それから、課徴金といいますか、雇用率を達成しなかったときに、課徴金、納付金と言っておりますけれども、これを払っているのかということであります。これは、300人以下の中小企業には支払い義務がないというふうに法律上はなっているようでございます。私もこれははっきり申し上げられませんが、今の情報でありますので、とりあえずそのようにお答えをしておきたいと思います。  それから、福祉担当者の職員について、研修はどうなっているかというお話でございます。私は、札幌市の福祉職員、保健福祉課で一生懸命働いている職員の姿を見て、特に区役所が実働部隊でございますので、そこでの職員の苦労というのは本当に想像を絶するほど厳しい職場であることを存じ上げております。それにもかかわらず、みんな、頑張るぞという気持ちで一生懸命仕事をしているということを承知いたしております。私は、そういう職員を本当に尊敬したいと思っておりますけれども、たまたまこういう事件が起きて、やっぱりどこかにすきがあるということを指摘されれば、そのとおりだというふうに思います。  そういう中で、これまでの研修というのは、各区において、職員同士が自分たちの経験を交流し、そして、先輩から後輩へ、同僚から同僚へということで、さまざまな体験を通じて、こういうときはこうなのだというふうな個別的な指導、あるいは勉強会という形で培ってきたというふうに私は思っております。  しかし、ここ半年ぐらいの間に、福祉行政について新聞報道でさまざまな問題提起がなされております。あるいは、刑事事件になったというような事件もあるわけであります。そういった問題に福祉の職員がどう対応するのかというようなことについては、これはやはり、全体的な勉強会、研究会といったものを組織しなければいけないのではないだろうか、こんな問題意識を私も持っております。多分、全市で1,000名ほどのケースワーカーがいると思いますけれども、一堂に会して、日ごろ自分たちが抱えている問題を語り合い、そして、有識者からそれに対する適切なご助言をいただく。さらに、メディアの皆さん方にもご参加いただきまして、これまで何かにつけてご指摘をいただいているメディアの皆さん方にも、福祉の実態、現実といったものを知っていただいた上で、あるべき姿というものをしっかりと描いていきたい。そして、動機といいますか、モチベーションといいますか、職員が福祉の業務に携わることを誇りと思える、そういう職員になれるように私どもはしっかり勉強会をやっていきたいなと。  近々、職員の異動がございます。4月21日が一般職の異動日でございますので、それから連休前くらいの間にそういう勉強会をやりたいということで今計画を立てているところでございます。 ◎中田 保健福祉局長  最初の3点について、私からお答えいたします。  法人などにおける不正あるいは不祥事といったものがあった場合に、そのときだけにとどまらず、それがきっちり記録され、その後に引き継がれていくということであります。その辺は、最低限度というお話もありましたけれども、非常に大切なことだと思いますし、今後しっかり充実させてやっていきたいというふうに思います。  また、個々のやりとりの中での事柄についても、電話などでのやりとりが必要な場合もありますけれども、そのようなやりとりがしっかり記録される、あるいは、事実としてしっかりとどまる形をとってまいりたいと思います。  それから、3点目は、障がい者を指導していただける方へ手当を出しておりますが、そのような方々に対する研修などの点であります。これも、今までいろいろな切り口の違いで参加していただいた方はいらっしゃるかと思いますが、あえてそういう方々へ視点を合わせた取り組みについても検討していきたいというふうに思います。 ◆松浦忠 委員  局長、指導手当を払っている皆さんに対しての研修はぜひやってください。  それからもう一つは、年に1回は報告を求めてください。これを要望しておきます。  それから、最後に1点だけ市長に要望しておきます。  出資団体について、局長がそれぞれ理事で入っていますね。したがって、市長が直接団体の長に呼びかけなくても、理事の方が、理事会において、委託者である市長の意向はこうだという話をしていただいて、理事会の中で、これは、言ってみれば株式会社で言えば取締役会ですから、その団体の意思決定機関ですから、そこでそれを決めればそうなっていくのですね。ですから、ぜひひとつ、理事で入っている方々に、副市長が入っていれば副市長に、とにかくそういう方々に市長の意がきちっと伝わるように徹底していただいて、4月1日にはどのぐらい実現できるか、私は楽しみにしております。  以上、申し上げて、私の質問は終わらせていただきます。 ◆山口かずさ 委員  私からは、法人後見事業と障がい者雇用支援について、それぞれ分けて質問させていただきます。  まず、法人後見事業についてお聞きします。  新成年後見制度がスタートして、8年を迎えようとしています。成年後見制度は、判断能力が十分でない方について、家庭裁判所に申し立てを行い、本人を援助する人を選任し、その人に法的権限を与えて、本人にかわって法律行為ができるようにする制度です。いろいろと話を聞くと、この制度によって安心して暮らせる方がふえているということで、大変よいことと受けとめています。  一方で、成年後見制度を担う後見人には、本人の立場に立ちながら、親族や家族と調和することが求められ、客観性や公平性が必要とされています。また、一度対立関係が存在すると、後見人の業務は大変困難なものとなってしまうと聞いています。後見業務の具体的な中身を見ても、預貯金や不動産を管理したり、心身の状況や生活の状況に配慮して事務を行うというものであり、成年被後見人の立場に立った後見事務が強く求められています。  法人後見は、社会福祉協議会、社団法人、株式会社などの法人が成年後見人になり、個人の成年後見人と同様に後見事務を行うものですが、札幌市では札幌市社会福祉協議会が、平成20年度からスタートする法人後見業務に対して補助することとしています。これは、道内で初めての取り組みということで、ほかの自治体の先例になります。  そこで、札幌市社会福祉協議会が行う法人後見業務についてお伺いします。  これまで、判断能力に欠けた方について、成年後見開始の審判がされる場合には、親族のほか、弁護士や司法書士などが後見人に指定されているケースが多いと思いますが、なぜ社会福祉協議会が法人として成年後見業務を行うのか、まずはこの点についてお伺いします。  また、平成20年秋から法人後見業務を開始するということですが、具体的には、法人として成年後見人となり、どのような支援を行うことになるのか、お伺いします。 ◎浜崎 総務部長  法人後見制度は、福祉サービスが行政による措置から利用者の選択に基づく契約に転換したことに伴いまして、判断能力が低下した方についても事業者と対等に契約を締結できるように支援するために設けられたものであります。  そこで、1点目の社会福祉協議会が法人として成年後見を行う意義についてでございます。  まずは、社会福祉法で地域福祉の推進役として設置されている公的な法人であることから、住居確保、年金手続などの身上監護や財産管理といった重要な事項を取り扱う場合においても信頼できる法人である、このように考えております。このほか、親族がいない方でも、速やかな成年後見人の確保が容易となること、福祉に関する幅広い専門知識を活用した適切な福祉サービスの利用援助や、長期的、継続的な法定後見が可能になることなどがあり、判断能力が低下した方にも安心して利用していただけるもの、このように考えるところでございます。  次に、事業の具体的な内容についてでございます。  まずは、本人の収入や支出、財産、住居などの状況を把握し、本人の意向や心身の状態を踏まえながら支援の内容を定める必要があります。その後、これに沿いまして、住居確保に関する契約や介護サービスや施設の入所の契約の締結、年金や社会保険の手続、預貯金の管理、不動産や権利書などの財産管理、公共財産や税金の支払いなどの日常的金銭管理などの行為を本人にかわって行うものでございます。 ◆山口かずさ 委員  社会福祉協議会が成年後見事業を行う意義と事業の概要はわかりましたが、実際の業務の実施に当たっては、被後見人が多重債務を抱えているとか、悪徳商法の被害に遭ってしまうとか、被後見人とのコミュニケーションを図る上で医師からの助言が必要であるとか、いろいろなケースが生じることが予想されます。そうしたさまざまな被後見人の方一人一人について、しっかりとした後見の方針を立て、適切な後見を行っていくためには、社会福祉協議会の有する知識や経験のみでは十分ではなく、法律や財産管理などの専門的な知識、経験を有する人、機関との連携が必要です。  そこで、質問ですが、社会福祉協議会の法人後見事業の実施に当たり、こういった専門家、機関とどのように連携を図っていくのか、お伺いします。 ◎浜崎 総務部長  他の専門機関等との連携についてでございます。  委員ご指摘のとおり、後見業務を遂行していく上では、複雑な法律行為や行政手続などが必要でございます。専門的な知識、助言がなければ解決できない事柄が生じることも考えられます。また、後見業務においては、住居確保、年金手続などの身上監護や財産管理といった本人の利害にかかわる重要な事項を担当することから、公平かつ公正な取り扱いを確保する必要があります。このため、弁護士や医師、高齢者や障がい者の施設の職員などをメンバーとした外部の委員会を設置し、客観的かつ専門的な視点で後見に関する方針や対応が困難な事例の検討を行うことによりまして、公正かつ適切な支援を行ってまいりたい、このように考えております。  なお、後見業務の豊富な経験を有する弁護士会や司法書士会などとも連携を図ることができるよう協力を要請してまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆山口かずさ 委員  法人後見の最大のメリットは、成年被後見人が信頼できる成年後見人に後見事務を遂行してもらうことで、必要な福祉サービスの契約や日常的な金銭管理等が適切に行われ、安心して暮らしていくことができることだと思います。公的法人である社会福祉協議会が実施するのであれば、より一層信頼性も高まるものと考えます。道内では初めての取り組みなので、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。  最後に、このような制度が広く定着し、多くの方が地域で安心して暮らしていけるようになることを期待しています。  引き続き、障がい者の雇用支援についてお伺いします。  上田市長は、元気ショップなどさまざまな事業を展開して、障がいのある方の就労支援に実績を上げてきていますが、私が現在考えている提案も含めて、障がいのある方の就労支援について大きく2点伺います。  まず、1点目は、障がい者協働事業についてです。  障がいのある方が、地域の中で自立した生活を送るためには、生活できるだけの収入を得られる雇用の場を拡大していくことが大切です。障がいのある方が民間企業に勤めることは、生活に必要な収入を得ることばかりでなく、同僚を初め、仕事でかかわりを持つ多くの市民に対する障がいへの理解を進める機会にもなることから、もっとふえていくことを期待していますが、重たい障がいのある方や知的障がい、精神障がいのある方々の雇用の場はまだまだ少ないのが現実です。  こうした中、札幌市では、一昨年から障がいのある方とない方がともに働き、新たな事業を行うことを支援していく障がい者協働事業を始めています。この事業の中には、多くの市民が出入りするエルプラザにあるCafe de キバリヤという喫茶店や、市民の関心が高い環境保全に視点を当てたリサイクルプラザ発寒工房などがあり、障がいのある方の雇用が実現しています。  そこで、質問です。  この障がい者協働事業は、障がいのある方の雇用の場をふやすだけでなく、特色ある事業内容が市民の関心を集め、障がいに対する理解の促進に効果的だと考えますが、この事業の対象事業者の選考はどのような観点で行われているのか、お伺いします。  また、上田市長の公約では、この共同事業を10カ所にまでふやすとしていますが、行政からの補助に頼らなくても、民間事業者の理解と創意工夫があれば、障がいのある方を雇用するこういった取り組みをもっとふやすことができるのではないかと思います。行政として、今後この協働事業制度をどのように運用していこうと考えているのか、お伺いします。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  障がい者協働事業についてでありますが、この事業は、一般企業に就労することが困難な障がいのある方を、全従業員の5割以上かつ5名以上雇用して、民間事業者の創意工夫により新たな事業を行うなど、一定の要件を満たす事業者に対しましてその運営費の一部を補助するものであります。これまでに、平成18年10月の事業創設時に6社が、そして昨年10月の追加募集時には5社がこの事業補助を受けたいと申請され、現在、6社に対しまして1社当たり約700万円から900万円の補助をしているところであります。  選定方法につきましては、身体、知的、精神障がいそれぞれの関係団体の方々に選考委員会のメンバーに加わっていただきまして、障がいのある方の雇用予定数や支払い予定賃金の額のほか、継続的かつ安定的な雇用の場となるかといったことなどを評価のポイントといたしまして選定をしているところでございます。  今後、新たに補助対象事業者をふやしていく際には、委員ご指摘のとおり、障がいに対する市民一般の理解を広げ深めるような事業内容であるかといった視点につきましても留意いたしまして選定してまいりたいと考えております。  次に、この制度の今後の運用についてでありますが、障がい者雇用をより多くの民間企業に広げるため、他の事業者の方たちに札幌市が実施しているこの協働事業制度の周知を図るとともに、既に補助を受けている事業所の活動状況や、そこで働いている障がいのある方たちの就労内容などをPRいたしまして、障がい者雇用についての意識を高めてまいりたいと考えております。この制度ができましてまだ1年余りでございますけれども、当面は安定的な運営ができるよう現行の補助を継続してまいりますが、将来的には補助に頼らない自主的な運営に移行し、新たな事業に取り組みが広がるよう補助のあり方についても研究していきたいと考えております。 ◆山口かずさ 委員  引き続きまして、質問の2点目に移らせていただきます。  次は、元気ショップについてです。  今、お尋ねした障がい者協働事業とともに、市民の障がいに対する理解を深めていく取り組みとして、地下鉄大通駅構内にある元気ショップがあります。ここでは、札幌市内外の約100カ所の作業所などで製作したパン、ケーキなどの食品や、布や木工などの装飾品など500種類にも及ぶ製品が販売されています。また、障がいのある方2名が従業員として雇用されており、販売などの仕事をしています。私も、ここでパンやケーキなどをよく購入していますが、障がいのない従業員の方とともに、明るく実に楽しそうに仕事をしています。  そこで、質問です。  多くの方々が彼女たちと接し、障がいに対する理解を深めたのではないかと思っていますが、市民の障がいに対する理解を進めるために、もっと元気ショップを利用する人をふやすための取り組みを行うべきと私は考えます。これまでに、利用者増に向けてどのような取り組みを行ってきたのか、お伺いします。  また、今回提案される20年度予算に、元気ショップ2号店開設等調査事業費が計上されていますが、具体的にどのような調査を行うのか、お伺いします。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  元気ショップにおける利用者の増加に向けた取り組みについてでございますが、昨年8月から9月にかけまして、季節の野菜などを販売いたしました大収穫祭や、9月から10月には元気ショップの人気商品となっておりますパンやケーキなどを集中的に販売するパン祭りなどのイベントを開催しております。また、父の日や母の日、クリスマス、ひな祭りなどに合わせまして期間限定の商品を販売したり、区などで開催されますイベントにも出店いたしまして元気ショップの周知を図っているところでございます。さらに、昨年12月には、元気ショップオープン1周年を記念いたしまして、全商品を10%オフにする取り組みをいたしましたし、ことしに入り、リピーターを広げるということから、ポイントカードも新たに導入したところでございます。このほか、購入者に対するアンケート調査を行うなど、利用者の視点に立った商品の品質向上なども図り、利用者がふえるようさまざまな取り組みを進めているところでございます。オープンいたしまして1年間で延べ8万5,000人、月平均にしますと7,000人余の方々に元気ショップを利用していただいており、今後もより多くの市民に利用されるよう取り組みを進めてまいりたいと存じます。  次に、2号店開設等調査事業の内容についてでございます。  元気ショップ2号店につきましては、現在の元気ショップと札幌駅北口にございます福祉ショップいこ〜ると一体となって、障がいのある方の授産工賃アップと、製品購入を通じた市民の障がいに対する理解を促進していく役割を果たす店舗にしていきたいと考えております。そのため、20年度の調査事業では、既存のこの2店舗の現況調査や課題の把握、そして、それを踏まえまして2号店として必要な店舗形態や立地場所などについて調査をしたいと考えております。 ◆山口かずさ 委員  多くの障がいのある方から、Cafe de キバリヤや元気ショップで働くことを目標に作業所などで頑張っているという話を耳にしています。単に施設を整備したりするだけでなく、今、作業所などで頑張っている障がいのある方たちが働く喜びや意欲、目標を見つけられるような環境整備が今後の就労支援策の中では特に重要ではないかと私は考えます。この二つの事業は、障がいのある方の就労意欲の向上にもつながっていますので、ぜひ事業を拡充し、多くの障がいのある方の雇用の場を拡大していくことを要望します。  また、障がい者協働事業制度の運用に関する質問をした際にも申しましたが、行政からの補助に頼らず事業を行っていくためには、協働事業所でつくられている製品や、そこで提供されている作業などの発注が伸びなければ自主的運営は難しいのではと思っています。まずは、市役所庁内でこうした事業所や作業所などから発注をふやすための取り組みを進めることも検討していくべきではないかということを最後に強く要望し、私からの質問を終わります。 ◆佐々木みつこ 委員  私からも、知的障がい者の自立支援のあり方について、相談機能の観点からお伺いいたします。  一昨年4月の障害者自立支援法の施行に伴い、障がいのある方を取り巻く社会環境は大きく変化しております。障がい者が社会の多様な支援を受けつつ、地域社会の中で生活していくという方向性は、社会的評価を得ているものだと私も考えます。障がいのある方も、地域において就労し、自立していく、本市もその方向で第2次新まちづくり計画をうたっております。  その中で、三丁目食堂の事件でございます。先ほど、松浦委員からもたくさんのご指摘がございましたので重複は避けますが、私の方からも障がいのある方の生活状況のふだんからの見守り体制があれば、この事件ももう少し迅速、適正な対応ができたはずではないかということを指摘させていただきます。  そして、知的障がい者という十分に意思を伝えることが難しい方の地域社会での生活のあり方に一石を投じた事件であったと私は考えます。そうした認識から、札幌市として、障がいのある方々が地域の中で安心した生活を送っていただくことができる体制の整備が急がれると思います。  そこで、質問ですが、札幌市では、障がいのある方の地域生活を支援するために相談支援事業を実施していますが、その相談支援事業所が実際に知的障がいのある方々とどのようなかかわり方をしているのか、お伺いいたします。  また、身近な地域に住む人たちの気遣いが重要と考えますが、これに関して相談支援事業所が地域でどのような機能と役割を持っているのか、あわせてお伺いいたします。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  知的障がいのある方の自立支援のあり方についてでございます。  相談支援事業におきます知的障がいのある方とのかかわり方についてですが、現在、市内に12カ所ある相談事業所すべてで知的障がいのある方の相談に応じられるように取り組みを進めております。相談支援事業所の利用に当たりましては、相談された問題が解決するまで、相談者とのかかわりが持続できるように登録制をとっておりまして、ことし1月現在ですと1,000人を超える知的障がいのある方が登録をしておりまして、登録者全体の40%近くを占めているところであります。  知的障がいのある方は、意思表示が難しいことなどから、日常生活を送っていく上でさまざまな課題に直面することが多いと考えられますので、適切かつ迅速な支援を行うために、相談支援事業所に対してより密接に本人とのかかわりを保つよう働きかけているところであります。  次に、相談支援事業所の身近な人々と地域における役割と機能についてであります。  相談支援事業所では、障がいのある方の地域生活を支援していくために、町内会を初めとする地域にある各種団体や民生・児童委員等との連携など、地域のさまざまな社会資源を活用していくこともその重要な役割の一つと考えております。幾つかの相談支援事業所では、地域全体で障がいのある方をサポートしていくことを目的として、子どもやその家族の関心が高い遊びや映画などのイベントを開催いたしまして、障がいのある方と住民の交流を通じて、障がいに対する理解や地域で障がいのある方を支えていこうという意識を高める取り組みをしているところもございます。  今後、こうした取り組みを相談支援事業所間で共有しながら、地域と一体となって障がいのある方への支援を進めてまいりたいと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  ただいま、例えば、知的障がいのある方の相談支援事業所で言うと、白石区では川北に1カ所、また、そのほか全体で12カ所とご答弁いただきましたが、ない区もあったりという状況でございます。障がいを持っている本人が気軽に相談できる環境なのかという点も私から指摘させていただきたいと思います。  また、相談支援事業所の実際の機能と役割については、今後、より一層充実するように努力していただきたいと思いますが、障がいのある方の地域生活を十分にサポートし、何かあったときに速やかに対応できる環境整備は喫緊の課題であるとも考えます。先日の三丁目食堂の事件も、相談所の再判定のときに何らかのアクション、迅速な対応ができればと何回も考えるところでございます。  そこで、質問ですが、障がいのある方がこれまで以上に地域の中で安心に生活を送っていくことができるよう、相談支援事業所の一層の整備が急務であると考えますが、今後の整備方針をお伺いいたします。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  相談支援事業所の今後の整備方針についてでございます。  現在12カ所ある相談支援事業所を、障がい福祉計画では平成23年度までに17カ所に整備することとしております。この事業は、昨年12月に公表されました第2次新まちづくり計画にも位置づけられているものであります。地域特性や人口などにより、札幌市内を四つの障がい保健福祉圏域に分けておりますけれども、それらの圏域を踏まえまして計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  最後に、要望です。  相談所は、本人が相談というアクションを起こしてからの登録とフォロー体制ということではありますが、さきに申し上げました地域との連携の中で情報を察知して、先ほどご答弁に迷いがあったということもありましたけれども、迷いなく積極的にかかわっていく行政のあり方が今後求められていくことと思います。ぜひ、その点を意識し、障がいのある方も安心して地域で生活できる体制づくりをお願いし、質問を終わります。 ◆涌井国夫 委員  私は、心身障害者扶養共済制度について質問いたします。  今回、質問に当たりまして、高齢の障がいを持つ方のご家族の1人から相談をお受けいたしまして、共済制度にかかわる札幌市の対応に極めて疑問を投げかけております。この相談者の期待に何とかおこたえできるようにならないかを含めて質問したいというふうに思います。  この心身障害者扶養共済制度は、当時としては国としても初めて心身障がい者対策の総合的な推進を図る目的で、心身障害者対策基本法という法律を受けて、その第20条に、国及び地方公共団体は、心身障害者の生活の安定に資するため、年金、手当等の制度に関し必要な施策を講じなければならないと明記されているわけであります。本市でも、その趣旨を踏まえて、現在の独立行政法人であります福祉医療機構の前身でございますけれども、当時、社会福祉事業振興会、36年ぐらい前ですが、この振興会のいわゆる保険事業として心身障害者扶養保険事業ということで昭和45年から開始された、こんなふうになっております。  札幌市が初めてのこの保険事業に合わせて昭和47年に扶養共済制度条例を施行して、その内容は、障がいのある方の保護者がご健在のうちに掛金の払い込みを行い、保護者が亡くなられた場合など、残された障がいのある方が終身一定額の年金を受け取れる制度であります。その仕組みは、札幌市を含む全国の政令市、道府県が実施主体となりまして、条例に基づき、年金を給付する責任を負っておりまして、加入者から各自治体に振り込まれた掛金は、先ほどもお話ししました独立行政法人福祉医療機構に集められて、再保険する形で年金資産の運用を行っているというものでございます。  この間、平成8年の見直しで、国、地方、公共団体からの公費を投入しておりまして、運用利回りの低下、あるいは平均寿命の伸長による年金給付期間の長期化により再び財政状況が悪化をいたしまして、将来の年金支払いを行えないおそれが生じたため、財政の安定のために、今回、掛金などの見直しを行って、来月よりまた新たに開始をされるというようなことでございます。  そこで、昨年12月の4定でこの問題が取り上げられておりまして、共済制度加入者で掛金納付完了者547名のうち、親が既に亡くなっているにもかかわらず、年金の請求をされていない方が42名おられたと。そのうち、23名の方については、親の死亡から3年以上経過したことを理由に、年金が一部失効して、その失効額の総額が約1,100万円にも上るということが明らかになって、大きな問題となったところでございます。この中には、10年以上前に親が死亡していたにもかかわらず、残された障がいのある方やご家族が加入の事実を知らなかったために、失効額が150万円を超える方もおられるというふうに聞いているわけであります。  また同時に、再発防止についてそのときに述べられておりまして、保護者が亡くなられた場合、家族の方が加入者証を見て、届け出方法についても一目でわかるように注意書きの表現を改めるなどの改善をすることや、2年に一度は保護者や障がいのある方の安否確認を実施する考えだと聞いております。  そこで、質問の第1点目でございますが、本共済制度の還付完了者、納付完了者の現況調査の最新の調査結果について、昨年12月は現時点での答弁と断って答弁しておりますので、最終的に年金請求額が失効したのは23名だけなのか、最終の失効者数、失効総額について、また、そうした方々の障がいの種類、生活の状況など、その後の調査で明らかになった事実についてお伺いいたします。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  納付完了者に対する調査の最終的な結果についてのお尋ねでございます。  昨年12月の時点では、所在不明の方が25名おられました。その後、調査を続けまして、それら全員の方の所在が判明いたしました。その結果、保護者の方が亡くなられて既に3年以上経過して年金の一部が失効している方が最終的には13名増加いたしまして、合計で36名、失効額の総額は約3,700万円となることが判明いたしました。  これらの方々の障がいの種類につきましては、知的障がいのある方が23名、身体障がいのある方が8名、精神障がいのある方が5名となっております。また、生活の状況につきましては、施設あるいは病院におられる方が23名、グループホームにおられる方が3名、地域で暮らしておられる方が10名でございます。 ◆涌井国夫 委員  最終的な失効者が23名から36名に増加し、しかも、失効額が3,700万円と大きく3倍以上に膨らんだという事実、これは大変遺憾なことだというふうに思うわけでございます。  被害が拡大した責任、また、再発の防止ということもありますけれども、この札幌市の心身障害者扶養共済制度条例でも定めている中に、障がいのある方にかわって年金請求や受け取り管理ができる年金管理者制度があるにもかかわらず、十分に認識されてこなかったのではないか、どうしてこうも札幌は職員の年金管理者についての意識が極めて低いのかというふうに思うわけであります。もしそのときからきちんと適正に年金管理者が指定されていれば、障がいのある方にかわって年金の請求が行われ、今回のような年金の請求漏れはなかったというふうに思うわけであります。  2点目は、さらに、加入者の安否確認、現況届の確認については、札幌市が住民票を管理していることを考えると、毎年、市の責任で確認をきちんと行うべきではないか。2年ということではなくて、やはり、毎年きちんと確認を行うべきではないか。また、年金管理者について、年金未受給者及び年金受給者に分けて、その実態はどのようになっているのか、お伺いをしたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  年金管理者の実態についてお答えいたします。
     加入者は1,779人おりますが、年金未受給者はそのうち1,194名、その中で管理者を選定しておられる方が56名でございます。年金受給者の方は585名おられますが、そのうち管理者を選定されておられる方は255名でございます。合計いたしますと、1,779名中311名の管理者選定がございまして、管理者選定をされている方は17.5%となっております。 ◆涌井国夫 委員  ちょっと答弁漏れですけれども、加入者の安否確認について、毎年、市の責任で行っていくべきだということでございます。後で答弁をいただきたいと思います。  実は、いわゆる年金管理者でございますけれども、厚生労働省の発表では、年金管理者を置いて加入している方は4割、40%と言われているのですよ。したがって、全国の平均と比較しても、加入者の1,779人のうち合わせてわずか311人、17.5%なのです。17%対40%と、本市は極めて低いのですね、特段。しかも、そもそも条例には、加入者は、障がい者が年金を受領管理することが困難な場合、年金管理者を指定しておかなければならない、これは第7条で、また、市長の権限でも年金管理者を指定することができるというふうになっているわけであります。二重に、きちんとかけた方が最終的に年金が受けられるように最大の配慮をすべきだという意味合いで、みずから条例の中にうたっているのです、正直言って。  要は、加入者の意思を十分に尊重し、障がい者の方が100%年金を受け取ることができるように、しっかりと年金管理者を置いてくださいよというふうに明記されております。この年金管理者の積極的な活用を真剣に取り組むべきと考えますけれども、具体的にお伺いしたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  先ほどのご質問にありました安否確認等の再発防止策に関連してでございます。  加入者証の改善のほか、安否確認につきましては、2年に1回の現況確認に加えまして、さらに、扶養共済のデータと住民基本台帳情報を照合するということで、毎年、加入者等の死亡転出などの情報を把握できるように検討を進めております。  また、委員ご指摘の年金管理者でございますけれども、事前に年金の申請、受け取りをする方を選定しておくことは、申請漏れを防止する上で有効な方策の一つであると考えますので、今後は、加入時の説明に加えまして、現況確認等の各種通知の際に、繰り返し年金管理者制度の利用について勧めてまいりたいと考えております。 ◆涌井国夫 委員  この年金管理者に関しては、全国で平均4割になっているのですから、最低でもやはり4割を目指して、ぜひ、しっかりとおくれをとらないで取り組んでいただきたいというふうに思います。  次に、平成16年の実態調査の件でございますが、最も重要な問題、年金が失効している方への対応について質問いたします。  独立行政法人福祉医療機構では、2004年に各自治体に実態調査を依頼し、その結果をまとめて、こうした年金請求の漏れ、あるいは失効の問題が生じていることを明らかにして各自治体に注意を促しております。その実態調査の依頼を受けた際に、札幌市はどのような対応で取り組んだのか、具体的な対応策についてお伺いしたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  平成16年に福祉医療機構より実態調査の依頼を受けた際の対応状況についてでありますけれども、脱退や転居などに伴いまして加入者から提出されていた届出書と、調査依頼文書とともに福祉医療機構から札幌市に送付されてきておりました加入者名簿を照合し、届け出内容が的確に反映されているかという書面上の確認にとどまりまして、直接の実態調査には至っておりませんでした。 ◆涌井国夫 委員  これは、本来、毎年照合するのは当たり前のことでしょう。これは通常業務範囲です。特段、福祉医療機構の方から、漏れのないように、あるいは転居してそういうさまざまな問題が全国的に惹起していますよというあらわれにもかかわらず、通常範囲でチェックして、8月31日付の文書で相違ありませんと返事しています。極めていいかげんといいますか、お聞きして、私はこんなことでは真剣さが見られないと思いますよ。第2、第3の問題が起きるかもしれない。やはり、そうした危機管理をしっかり職員がとっていればこんなことは起きなかった。そうでしょう。その責任というのは、私は極めて重いというふうに思うわけであります。  障がい者のご家族の方からも、04年の調査のときに、札幌市としてとるべき調査をしなかったことで被害を拡大させた責任をどうお考えになるのかというようなことを私も聞いています。また、そのために救済策をとらないのか、そういった声についてどのように考えているのか、回答してください。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  まず、調査が不十分であったことの責任についてでありますが、全国的に年金の請求漏れが生じたことから、平成16年に福祉医療機構から札幌市を含む自治体に調査の依頼があったもので、当時、そのことをしっかりと受けとめて調査すべきでありました。札幌市の調査が不十分であったために、年金の失効を拡大させてしまったとのご指摘は、まことにそのとおりであり、大変申しわけなく思います。  また、この間、失効してしまった年金を札幌市の責任で補償すべきだとの声も聞いております。障がいのある子どもさんのために貴重な掛金を支払ってきた加入者の方を思いますときに、そういう思いは当然のことと思いますが、お金を補償することにつきましては、法律上の根拠も必要となります。調査が不十分であったことが、補償すべき責任に直ちにつながるとは言えず、失効分の年金を補償することは難しいと考えているところであります。  今回の問題につきましては、全国的な制度の運用にかかわる問題も含んでおりますので、制度全体を統括している厚生労働省と、制度の運用を担っております福祉医療機構に対しまして、加入者の死亡の時点までさかのぼって年金が支給されるなど、制度上の取り扱いの変更により、一部年金が失効された方々への救済を行っていただけるよう強く要望しているところであります。 ◆涌井国夫 委員  本当は、こうしたことが二度と起こらないようにと願うわけですけれども、私がいろいろ調べてみましたら、平成3年にも同じように、制度としての不備のことについて、当時、谷障害福祉部長は、随時、現況調査を実施しますというようなご答弁ですとか、あわせて、必要な年金管理者等についても周知する方法を、即、講じてまいりたいというふうに答弁しているのですよ。これは平成3年の話です。正直言いまして、16年前の話です。やはり、そうした当時の職員の人たちは、議会で指摘をされたときに、真剣にきちんと受けとめて、二度とこういったことが起きないように万全の体制で見直しをする、取り組んでいくということが、私は極めて必要だというふうに思っております。  何か、事故があったときに、例えば今回の件でも、年金管理者の問題でも、市長に年金管理者ということをきちんと報告したのかどうか、何かしていないような状況もありますし、やはり、もう少し一つ一つの事柄についてしっかり吟味して、どうしたら防げるのかということを真剣に取り組んでいただきたいなというふうに思うわけであります。  障がいのある方、あるいは家族の方から届け出を待つ、つまり、申請主義だからというのではなくて、漫然と待つのではなく、そういった申請主義の殻を破って、みずから進んで加入者の安否確認、障がい者の側に立った責任ある対応をすべきだったというふうに思うわけであります。  また、私は、こうした点を踏まえて、年金の支給時効を3年間に限定すべきではないし、ぜひ、親の死亡した時点までさかのぼって年金を支給するなどの救済策を実施すべきであるということで、国に対して、先月27日に国会で取り上げていただきました。そこで、各自治体における加入者の現況確認の適正化、あるいは、年金管理者制度の運用の強化、そして、年金が失効してしまった方々への救済策を含めた制度の改善策を、お願いした国会議員から厚生労働大臣に申し述べていただきました。  今般、これを受けて、もしかしたら来週でも、福祉医療機構の方から、年金支払いの取り扱いについて、年金請求が遅延したことについてやむを得ぬ相当の理由があるということで政令市が認めた場合について、過去3年分を超える年金も含めて年金を満額支払うとの通知が来た場合、札幌市は、即刻、手続を開始するということを願いたいのです。これは、中田副市長が東京まで出向いてこの辺のことについて一生懸命にお願いしてきたという経緯もありますので、この辺についてご答弁いただきたいというふうに思います。 ◎中田 副市長  ただいまの心身障害者扶養共済にかかわります件につきましては、札幌市といたしましても、本当に福祉医療機構から通知を受けながら十分な調査をしていなかったことにつきましては、改めまして私の方からもおわびを申し上げたい、このように思います。  この件がありましてから、私も、今、委員がおっしゃいましたように、昨年の12月19日、厚生労働省の障害保健福祉部長、福祉医療機構に参りまして、とりあえず、事務的な通知を受けながら確認を怠ったことに対するおわびと、あわせまして、基本的な制度の問題もあると考えておりましたので、障がい者を対象といたしました制度として、現在の申請主義という制度が果たしていかがなものか、やはりこの制度自体にも問題があると私どもは思っているということと、あわせまして、3年という時効の起算点を弾力的な解釈で運用できないのだろうかというお願いを含めまして、要望してきたところでございます。  今、もしそういう方向性で話が出れば早急に対応しなければいけない、こういうご指摘でございます。当然、私どもといたしましても、段々の経過もございますし、また、この36名の方々につきましてはもう既にお一人お一人の確認の作業も終わっております。そういうことも含めて速やかに対応できることかと思いますので、積極的にしっかりと対応していきたい、このように思っております。 ◆涌井国夫 委員  問題になっているあの方たちの中には、最高齢でもう81歳というご高齢の方がいらっしゃいます。そのお母さんが亡くなられて、障がいを持っている方も本当に81歳というご高齢でございますので、できるだけ早いうちにお母さんからの思いを届けなければいけないという切々たる思いを私どもは感じているわけでございます。  市長の公約でも、日常生活のさまざまな場面で弱い人を徹底的に守る仕組みと環境をつくりますと、こんなふうにマニフェストに書いているにもかかわらず、先ほども段々の話がありましたけれども、現場に携わる職員の人たちのマインドをしっかり持っていただき、全力を挙げて取り組んでいただきたいことをお願いして、質問を終わります。 ◆井上ひさ子 委員  私からは、法人後見事業と精神障がい者の退院促進支援事業について伺いたいと思います。  法人後見事業については、先ほど議論があってよくわかりましたので、簡潔に質問いたします。  今、地域福祉権利擁護事業と成年後見制度があるのですが、この3年間の相談の件数と、実際に利用者がどうなっているのか、また、札幌市がこの事業についてどう評価しているのか、伺います。  それから、今度は窓口を1本にし、法人後見事業という形で高齢者、障がい者の生活安心支援事業がスタートするということですが、結局、判断能力が低くなっている方々が、区ではなくて本庁で相談するのはどうなのかなというふうに思ったのですが、現在行っている区社協との連携をどのように進めていくのか。私は社協同士のやり方でスムーズにいくと思うのですが、その辺について伺います。  また、費用のことです。低所得者の方ですと、生活保護を受けている方、今は市長が成年後見人の申し立てを行う場合には、申し立ての費用とか後見人の報酬に助成を行っております。今度は社会福祉協議会が法人後見人となるわけですが、これも対象となるのかどうか、伺いたいと思います。  精神障がい者の退院促進事業についてです。  長期に社会的入院をしていることが大きな話題になっておりまして、国を挙げての退院促進支援事業が今動き出しております。長きにわたって入院されている方で、受け入れ状況が整えば退院可能な方々が退院して地域に帰っていく、住み続けることができる、私はよいというふうに思うのです。  札幌市も、この間、精神科病院などを訪問して、意見を聞いて事業を展開していくというふうになっているのですが、札幌市がつくりました福祉計画では、入院中の精神障がい者が地域に移行していく、これは平成17年度に北海道が調査されましたけれども、在院患者調査において通院可能な精神障がい者の方々が400人おられて、そういう方々を地域に移行していくことを考えておられます。  今回、予算がついている事業はどんな事業になっていくのか。お話を聞いても実施要綱もまだつくられていませんが、現在の状況と今後のスケジュールについて伺っておきます。 ◎浜崎 総務部長  まず、1点目の法人後見事業の関係でございます。  地域福祉権利擁護事業の相談件数と利用者数の推移でございますが、平成11年から実施している事業でございまして、判断能力が不十分な認知症の方や、知的障がい者、精神障がい者などの方を対象にしまして、本人との契約により金銭管理等の日常生活の援助や福祉サービスの利用相談を行っているものでございます。利用相談件数でございますが、平成16年度は6,534件、17年度は7,576件、18年度は7,080件でございまして、利用者数につきましては、16年度は109人、17年度は126人、18年度は143人となってございます。このように、権利擁護事業の利用者数は年々増加しておりまして、高齢化が進む中、だれもが安心して地域で暮らし続けるために、その重要性がますます高まっていくものと考えているところでございます。  次に、地域福祉権利擁護事業の窓口のある区社協との連携についてでございます。  現在、札幌市社会福祉協議会において、20年度秋の事業開始に向けまして、事業内容の詳細や実施方法等につきまして検討を行っているところでございます。区社協との連携につきましてもその中で整理されることになりますが、利用者の方々の利便性に配慮しながら検討を進めてまいりたい、このように考えております。  次に、成年後見制度利用支援事業に基づく申し立て費用等の助成についてでございます。  この制度は、市長により成年後見の申し立てがなされた低所得者の方に対して、申し立て費用や後見人報酬の助成を行うものでございます。法人後見事業を利用される方でも、制度の要件を満たす場合には助成対象になるというものでございます。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  私から、精神障がい者退院促進事業についてお答えいたします。  現在の状況と今後のスケジュールについてでございますが、本事業は、住居の確保などの受け入れ体制が整えば退院可能な精神障がいのある方、いわゆる社会的入院を強いられている方の円滑な地域生活への移行を図ることを目的としております。この事業を実効性あるものとするためには、精神科病院や相談支援事業所などの関係機関の理解と協力のもとに緊密な連携を図ることが必要不可欠であります。このため、現在、札幌市内の精神科病院を訪問いたしまして、本事業についての説明をしながらご意見をいただいているところであり、3月中にはすべての精神科病院への訪問を終える予定であります。  その後、相談支援事業所あるいはグループホームなどの関係機関や団体への説明を行い、ご意見やご要望をいただきまして、4月中には具体的な実施案を作成したいと考えております。その上で、関係者への研修を実施いたしまして、各病院からの推薦に基づき、9月ごろには対象者の選定作業に入り、事業を実施していきたいと考えております。 ◆井上ひさ子 委員  後見人制度のことでは、7,000件を超える相談が寄せられていることと、相談窓口の一本化について言えば整理されていくのかなというふうに思うのですが、利用者の利便性に配慮するというご答弁だったというふうに思いますので、その辺はそう進めていただきたいと思います。この制度も、ケアマネージャーなど、それこそ関係の団体の方々に広めていただいて、利用されていけるように努力していただきたいと思います。  障がい者の退院促進支援事業についてです。  現在、病院を訪問しており、3月中にすべて終えるというご答弁だったと思います。  そこで、病院を初め、関係団体に事業を理解していただくのは、私は本当に困難があろうかというように思うのです。既に実際に取り組んでいるところでは必要は感じられないかもしれませんし、退院経験の浅いところでは難しいこともあると思うのです。でも、実際に病院から地域に帰すという中で言えば、病院の協力を得られなかったらこの事業は進まないと思いますので、ぜひ協力を得られるように努力していただきたいというふうに思います。  それから、国を挙げての事業となっているのですが、北海道との連携についてお聞きしたいというふうに思います。  私は札幌市が北海道から委託されるのかなというふうに思っていたのですが、委託されないということと、その財源の手だてについて、生活保護を受けている方々は今回の予算の説明の中で全額補助を受けられているのですが、今回のこの事業について言えば、市の単費の事業になっていますね。それで、国を挙げての事業になっているだけに、私はこれについて財源の手だてを求めていくべきだというふうに考えますが、この辺はどのようにお考えでしょうか、伺います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  この事業を実施するための財源の手だてについてでございます。  委員ご指摘のとおり、対象者が生活保護を受けている場合には国の補助の対象となりますので、その受給者数の割合に応じた補助を受けることができます。生活保護を受給されている方以外につきましては、自立支援法による補助の対象となりますが、これは都道府県に対して交付されるものであります。札幌市からは、北海道と協議をいたしましたけれども、平成20年度については北海道からの補助等の交付を受けることがかないませんでした。平成21年度には道からの補助等が受けられるよう、今後とも道に働きかけていきたいと考えております。 ◆井上ひさ子 委員  北海道に働きかけていきたいということですけれども、やはり、こういう事業ですと市の単費だけでは限界があると思うのです。ですから、私は、国が都道府県に交付しているのであれば、札幌市についても、こういう事業は連携をとって進めなければ進みませんので、予算をきちんとつけていくように強力に求めていただきたいと思います。  それから、地域で暮らすためにはサポートが必要です。これから事業を展開していくわけですが、この受け皿がきちんとしなければ、病院、当事者、家族の理解は得られないというふうに思います。移行できるように自立支援者を配置して病院と連携をとっていくわけですが、退院後の日常の生活を支える支援、各種のサービス、地域生活センター、作業所などの意見をぜひ聞いていただきたいというふうに私は思うのです。この事業に力をかりなければ、私は病院がオーケーをしたとしても出られないというふうに思います。  先ほども少し答弁があったように思いますが、改めて、今後の取り組みについて伺っておきたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  地域で暮らすためのサポートの取り組みについてでございますが、退院後の地域でのサポートにつきましては、ご指摘のとおり、大変重要な課題であると考えております。本事業では、退院後も、しばらくの間、地域生活支援センターなどが中心となりまして、有効なサポートを実施するため、札幌市と就労移行支援事業所等や医療機関などの関係機関が連携いたしまして既存の各種サービスなどを有効にできるように、地域でのネットワークづくりが必要であると考えております。この点につきましても、関係機関からご意見、ご要望をいただきまして、具体的な実施案を作成してまいりたいと考えております。 ◆井上ひさ子 委員  関係機関から意見をいただいて実施計画をつくっていくというご答弁でしたので、ぜひそれを進めていただきたいというふうに思います。  20年、15年と病院に入っていた人が、退院して地域で暮らすことは大変なことです。私も、この間、2カ所に行って聞き取りをしましたけれども、ある人は金銭の不安を抱えられたり、また、ある人は地下鉄の速さで本当に体調を崩されたり、もちろんお店に行ったこともない方ですから商店に入れないとか、一人一人それぞれ中身が違うのです。  それから、日中、ほかの作業所に行っても、自宅にアパートを借りて帰ったら、夕方、不安で地域の支援センターに行く、相談をして食事をする、そういうお金や時間ではかれない問題がたくさんあることがわかりました。そういう中で、地域で暮らせるようなサポートというのは本当に重要だというふうに皆さんも認識されていますので、私は、この辺はぜひ横の連携をとっていただきたいというふうに思うのです。  先ほどの議論の中で、障がい者の保健福祉圏域というのでしょうか、札幌市を4カ所に分けていますね。4カ所に1カ所ずつつくっていくのかなというふうに思うのですが、でも、本当に広範囲なところですね。そういう中で、私はこれについても意見をもらいましたら、例えば4カ所で200万円とか250万円のお金を振り分けられても人を雇うことができないと言うのです。それから、グループホームですと、4人いたとしても、大抵2人の方は入院したりという形で、確実に2人と見込んだ場合は人も雇用できないというふうなご意見を述べておりました。ですから、この辺は、やはり補助をもらって、そして市の単費も入れながら進めていくべきです。そして、保健所の皆さんの協力とか、先ほどの障がい者の方々の就労支援というところと連携をとりまして、やはり受け皿もきちんとやりながら地域で安心して暮らせるようにすべきだと私は思います。  そして、自治体が目標を持つということは、私はいいことだというふうに思うのですが、この場合は400人と持たれて、そのうち1割、40人ぐらいを考えておられるようにお聞きしていたのですが、この目標にこだわることなく、本当にこの事業を進めていただけるように、一人でも地域に入って暮らせるような、そういう退院促進支援事業となるように求めておきたいと思います。 ◆坂ひろみ 委員  私は、福祉のまちづくり推進事業について質問いたします。  近年、少子高齢社会の中で、市民の価値観は複雑化、多様化し、高齢者、障がい者に関する法制度の改革で福祉を取り巻く環境が大きく変わっています。また、引きこもりや子育て家庭の孤立、児童や高齢者の虐待、高齢者の孤立死など新たな課題も山積しています。  このような中、住みなれた地域で、高齢になっても障がいがあっても、だれもが安心して暮らせる地域社会づくりが急がれます。本市においては、2003年に新しい札幌市地域福祉社会計画を策定し、市民、事業者、行政の協働のもと、共生社会の実現を目指し、福祉のまち推進事業を初めとするさまざまな施策を展開しています。さらに、市民による地域福祉活動を推進するために、市内88カ所の地区社会福祉協議会に地区福祉のまち推進センターが設置され、ひとり暮らしの高齢者などを対象に安否確認や交流会など市民による支え合い活動が行われています。  そこで、福祉のまち推進事業について、3点伺います。  福祉のまち推進事業は、地域の福祉に関する問題を解決する仕組みとして、札幌市地域福祉社会計画に位置づけられており、福祉のまち推進センターを拠点に各地域ごとに活動が進められています。しかし、その活動内容は地域によってさまざまです。地域の特性や実情により活動に温度差が生じることはやむを得ないと考えますが、活動が進まない、進みにくい地域や活動費がうまく生かされていない地域については、実践例の紹介や情報提供、相談、助言等の新たな支援が必要と考えますが、そうした地域については市としてこれまでどのように取り組んでこられたのか、伺います。  質問の2点目は、事業費についてです。  現在、88カ所すべての福祉のまち推進センターに1地区当たり50万円を上限とする助成金を出していますが、2006年度から機能強化費や世帯数の多い地区への活動費加算なども実施し、より効果的な助成に取り組んでいるとのことです。  そこで、その実績と評価について伺います。  質問の3点目は、これまでの活動の見直しについてです。  実際に地域で福まちの活動を担っているメンバーは、主に町内会長を初めとする町内会の役員や民生委員、児童委員というケースが圧倒的に多いとのことです。昨今、高齢者の見守りや子育て支援事業など活動の拡充によりその方々の負担も大きく、また、新たな担い手がなかなか見つからない、育たないといった課題もあると聞いています。このような活動者や参加者の固定化が活動のマンネリ化を助長し、新たな活動の発展を阻害する要因にもなっていると思われます。  そこで、これまでの活動や事業を見直し、真に必要な活動へと転換を図り、多様な市民が主体的にかかわるための工夫や仕組みが必要と考えますが、今後どのように取り組むおつもりか、伺います。 ◎浜崎 総務部長  まず、1点目のこれまでの取り組みについてでございます。  福祉のまちづくり推進事業は、市民や事業者、行政の協働のもとに共生社会の実現を目指すものでございます。各地の活動をより活発にしていくことが必要でありますが、活動に役立つ情報の提供や個別の相談、助言といった支援を行うことは大変重要だと認識しているところでございます。そのため、市内の社会福祉協議会とともに、福祉のまち活動者を中心としたフォーラムを毎年開催し、活動者や民生委員、地域包括支援センターの職員などの間での意見交換や情報交換の場の提供、区社会福祉協議会における活動交換会や他地区との合同研修の実施、広報誌の発行などにより、活動のヒントとなる他地区の活動事例や地域福祉活動を行う上で知っておきたい福祉施策などの情報提供を行いながら、福まち活動の活発化に向けた支援を行ってきたところでございます。また、各地区において、活動上の悩みや課題が生じたときは、区社会福祉協議会の職員が各地区に出向きまして、直接、活動者の方々に相談、助言をするといった支援にも力を入れているところでございます。  2点目の機能強化費等についてでございます。  機能強化費は、福まち活動のさらなる活発化を図るために、他地区のモデルとなるような新たな取り組みを行う地区に支給するものでございます。大規模地区への加算も行っております。これまで、高校生によるひとり暮らし高齢者宅の除雪、仲間づくりと介護予防を兼ねた高齢者のパソコン教室、朝市に隣接した休憩所における地域の触れ合いの場づくりなど、独自の工夫を加えた取り組みも見られるところでございます。今後とも、より多くの地区がこの制度を活用いたしまして、地域の方みずからが考え、工夫を凝らした取り組みを行ってもらえるよう働きかけてまいりたいと考えております。  3点目の地域における活動内容の検討についてでございますが、福まち事業は平成7年度の事業開始から既に10年以上が経過しておりまして、この間、高齢化の進展や介護予防のニーズなどの高まりなど、この事業を取り巻く環境が大きく変化してきているところでございます。このため、今年度、市民や学識経験者、行政職員などを構成員といたします福まちステップアップ検討会を立ち上げまして、福まち活動の課題や今後の展開についての意見交換を行ってきたところでございます。この検討会においては、福まち活動の一層の活発化のためには、地域の方たちの間でよく話し合い、意識の共有を図り、取り組むべき課題を整理していくことが大切であるとの観点から、地域の課題を見つけ、課題意識を共有することが取り組むべき柱の一つとされております。  このため、検討会での意見を踏まえまして、アドバイザーを派遣して地域でのワークショップ開催の支援を行うほか、区社会福祉協議会の支援により福まちがみずからの地区の特徴、課題を把握するための点検表作成を促進するなど、地区の課題整理や住民の意識の共有化について支援を行っていきたい、このように考えているところでございます。 ◆坂ひろみ 委員  1点目の質問に関しましては、民生委員などがフォーラムを開催したりということで、活動のヒントなどもご提供していると、また、社協の方たちが地域に出向いて直接相談体制にも力を注いでいるというようなご答弁をいただきました。  3点目の質問とも関連するのですけれども、地域の中でリーダーを担っていくような、そういう民生委員とか町内会の役員というのは、ある程度の認識、知識というのは割と持っていらっしゃるのではないかなというふうに思うのです。ただ、そういう方たちが中心になって、地域の中で実際にではどんなことをやろう、こんなことをやろう、どうしたらいいだろうかといったときに、やはり、力となっていただけるのは地域の市民の皆さんなのです。そこの意識改革をしていかなければなかなか進まないのではないかなというふうに思っているものですから、社協の方が直接地域に出向いて相談体制をということもおっしゃっておられましたので、ぜひ、実際に地域の活動を担う現場の市民の皆さんにもこうした情報を提供していただいて、それで活動が一歩進むような支援が必要ではないかなというふうに思っております。  それから、19年度、今年度、福まちステップアップ検討会を開催したということで、今、最後の答申といったものの取りまとめをされていると聞いておりますので、新たな今後の課題などもそこで明らかになるのではないかなというふうに思っております。市としても、その中の課題を平成20年度の予算に盛り込んでいるというふうにお聞きしておりますので、今後の活動、取り組みに期待をしたいと思っております。  活動が活発に行われている地域については、引き続き機能強化費などで支援をしていただきたいと思いますけれども、そうでない地域にこそ、支援の手を差し伸べていただきたいというふうに思います。市民の主体性を大事にしつつと言っても、事業としてやっている以上、活動の活性化を図るよう市としての働きかけが必要です。市とか区とか地域といった社協との連携などもありますので、そういった組織、仕組みがきちんと機能しているのかどうか、そういった検討も必要ではないでしょうか。  今回、福まちにかかわっている人たちの何人かの方に聞き取り調査をしましたけれども、一度始めた事業は現場ではなかなかやめられないのです。例えば、相談事業などというのは結構あちこちの福まちでされていると思うのですけれども、毎週午後1時から3時までといった形で、民生委員とか社協の役員、理事とおっしゃるのでしょうか、大体は町内会長だと聞いていますが、そういった方々が1時から3時まで必ずその場にいて相談体制をとっていても、実際には年間を通して2〜3人しか相談に来られないというような実態があるそうです。けれども、では、この相談事業をやめようかというと、一度始めたらなかなかやめられないということが現場の中ではあるようです。そうした中で、では、新しいことをしようといっても、新規の事業にはなかなか難色を示す傾向が地域の中には依然として強いと。  自治する市民とか市民力というのは、短期間で生まれるものではありません。しかし、どんな小さいことでもいいので、自分たちの課題を自分たちの力で解決するために、地域の中で力を出し合って協力することで、その成果を自分たちで評価したときに初めて充実感や達成感というものを感じることができるし、そうしたことが感じられると、活動そのものが楽しくなって一緒に活動する仲間がふえていくのではないかなというふうに思います。そのきっかけとなる仕掛けを、ぜひ行政の方にしていただきたいというふうに思っています。狭い地域の中で、いつも同じ仲間が集まった中では、なかなか新しい発想というのは生まれにくいものです。そこに第三者的な人、それが行政の方なのか、社協の方なのか、NPOなのか、他地区の福まちの方なのかわかりませんが、地域の方がそういう新しい発想の転換ができるように、また、自分たちのまちづくりのことを自分たちで変えられるのだという希望を地域の方が持てるような支援が必要ではないかというふうに考えております。  これから、まちづくりセンターの運営も地域に委託されるようになり、また団塊の世代の人たちが、どんどん地域に戻ってまいります。これからが福まちの第2ステージとして私は大きな期待を寄せていますので、ぜひ今後進めていただきたいと思います。  そこで、再質問ですけれども、福まちの活動は、あくまでも市民が主体的にかかわり、みずからの力で課題解決を実践するところに意義があります。しかし、行政サービスが当たり前と考える市民もまだまだ多く、市民自治の実践は本当に難しいのが現状です。だからといって、行政が押しつけたり、答えを導いたり、強制的に実行させるのでは意味がありません。市民の地域力を軸に行政と協働で助け合いの仕組みを構築するために、地域だけでは解決できないニーズに対しては、公的サービスやNPO、市民団体等との連携も不可欠です。地域にお任せではなく、行政も積極的に情報の提供と共有を図り、協働で進める姿勢を市民に見せ、共生社会の実現を目指した取り組みを地域から進めるべきと考えます。  そこで、2007年度に福まちステップアップ検討会を立ち上げ、新規事業も2008年度に実施するとのことです。市として、福まち事業の今後のあり方についてはどのようなビジョンをお持ちか、目指すべき方向性についてのお考えを伺います。 ◎浜崎 総務部長  福まち事業の今後のあり方についてでありますが、介護保険法や障害者自立支援法の改正等によりまして、だれもができる限り住みなれた地域や家庭で生活を送れるように福祉サービスの整備が進められております。一方、少子高齢化が進展する中で、地域で暮らしたいと願う高齢者や障がいのある方が増加しており、身近な地域においてお互いに支え合う仕組みづくりがますます重要になってきているところでございます。  そのような中、福祉のまち推進事業は、地域の住民がみずから考え、行動する支え合いの取り組みであり、今後とも、その主体性を生かしながら、活動の活発化を図っていく必要があるものと考えているところでございます。  ことし開催いたしました福まちステップアップ検討会では、福まちについてより多くの人に知ってもらうこと、地域の課題を見つけて課題意識をみんなで共有すること、活動の継続拡大に向けて担い手を広げていくこと、町内会、民生委員、地域包括支援センターなどの専門知識や、ボランティア、NPO団体との連携を進めていくことを今後の福まちの活動の促進に向けた柱として取り組んでいくことにしているところでございます。今後は、この柱に沿って福まち事業のさらなる活発化を図ることにより、地域福祉の向上を目指してまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆坂ひろみ 委員  私が申し上げるまでもなく、行政の方でも今後の課題は十分に理解をしているからこそ、今年度、こうした検討会を立ち上げ、新たな課題を提供していただいた上で、また、新しい活動に取り組むための第一歩として、早速、新年度予算を取り組んでいただいたということでございますので、これからの福まち事業が本当に市民が主体的にかかわり、その輪がどんどん広がって、札幌市全体としても福祉の力がネットワークとして取り組まれるような形で広がることを期待しておりますので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。  そこで、最後の質問になりますが、福まちの触れ合い活動の対象は、高齢者や障がい者、子育て世帯等となっていますけれども、近年、それぞれを取り巻く環境は大変厳しいものがあります。特に、障がい者においては、障害者自立支援法施行後の自己負担増を初め、施設から地域へという流れの中、地域で自立した生活を送るためには多くの課題が残っています。障がいのあるなしにかかわらず、地域の構成員として情報を共有し、相互の交流を図る中で、互いに尊重し合い、支え合いの関係を築くことが重要です。  しかしながら、これまでの福まちの活動では、そうした障がいのある方を対象とする取り組みが全市的に見ても少ないように感じています。今後、地域での支え合い活動を推進する上で、障がい者への支援や触れ合い交流は欠かすことができません。  そこで、今後の福祉のまち推進活動に当たっては、障がいのある人を対象とする活動の推進、あるいは、障がいがある人もない人も、ともに地域福祉の向上に向けて取り組むことができるように、市としても地域への情報提供を初め、広報や研修などの支援を積極的に行うべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎浜崎 総務部長  障がいのある方を対象とする取り組みについてでございます。  地域福祉の推進に当たっては、障がいのある方も含めまして、だれもが安心して暮らせる福祉のまちづくりを進めるという視点が大切でございます。このため、地区福祉のまち推進センターにおいて、障がいのある方の支援や活動の参加がしやすい環境づくりを行うため、リンケージプラザに設置しました札幌市ボランティア研修センターにおける研修、区社会福祉協議会の広報誌、活動交換会、セミナーなどさまざまな機会をとらえまして障がいのある方への理解を深める情報を提供していきたいと、このように考えているところでございます。 ◆坂ひろみ 委員  今、札幌市では、障がい者による政策提言サポーター制度というものにずっと取り組んでいます。これは、障がい者の方の声を障がい者の方が聞き取り、そして札幌市に提言をしていく、上田市長になってから、障がい者の声を実際にまちづくりに生かしていくのだという一つの取り組みとして制度化した大変有効なものだというふうに私は理解しております。  しかしながら、障がい者の声を障がい者だけが聞いて、それを提言するだけではいけないのではないかなという時期にもう来ていると思っております。身近な地域のまちづくりの中においてこそ、障がい者の声を障がいを持っていない方たちが聞いて、そして、ともに生きる地域の中で障がいのある方がどうしたら生きやすい地域になるか、社会になるか、そんなまちづくりをともに考えていく場としてこの福まちも生かしていただきたいなというふうに思っているものですから、ぜひ障がい者の方たちの理解と促進に向けて行政としても取り組んでいただきたいというふうに思います。  今回の代表質問で、小規模多機能地域密着型のサービス体系の構築とあわせて、身近な地域に、だれもが気軽に立ち寄り、おしゃべりをしたり食事をしたりすることができるサロンのような居場所づくりへの支援について取り上げました。現在、白石区では、白石まちづくりハウスの2階を利用し、ボランティアの運営で毎月第1日曜日に、地域の茶の間という、老若男女、障がいの有無にかかわらず、さまざまな市民の方々がにぎやかに集まれる場所を開催しています。また、先日、厚別区のもみじ台地区のまちづくりワークショップに参加した際にも、同様の居場所を求める声が多数あり、もみじ台のまちづくり会議では、白石の取り組みを参考に、管理センターを使った地域の茶の間を試験的に始め、地域での触れ合いや支え合いのきっかけになることを目指しています。このほか、豊平区でも、自宅を開放したリサイクルショップが地域の人の集いの場になっている例もありますし、平岸にもぴらけしというものがございます。  私は、身近な地域にこうした居場所がたくさんできることで、地域の人と人とがつながり、それが助け合いながらともに生きる共生社会を支える市民力や地域力、地域福祉の向上につながるものと考えております。福祉のまち推進事業は、まさにその実践の場として有効な取り組みです。今後、多様な連携の中で、福まちからこうした居場所づくり事業が出てくることを期待し、また、検討会の提言を今後の活動に十分生かし、さらなる事業展開を要望して、質問を終わります。
    ○大嶋薫 委員長  ここで、おおよそ20分間委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時23分       再 開 午後3時47分     ―――――――――――――― ○大嶋薫 委員長  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆林家とんでん平 委員  それでは、私から質問させていただきますが、少ないですけれども、やらせていただきます。  私は、重度障がい者に対する公的介護についてと、大きくもう1点、障害者手帳に関係して、この2点について質問させていただきます。  全身性重度障がいの方の公的介護については、私は、議員になってから毎年この質問をさせていただきました。最初は14時間でした。それが、質問させていただいて3時間ふえたのですね。そしてまた、次の年に質問させていただき、3時間ずつふえて、今は24時間になっております。24時間の介護ができたということは、私としては、この施策の導入は十分評価できる、そう思っております。  今現在、札幌市の基準で、1日24時間の公的介護の対象者に該当しない場合は、最大でもせいぜい11時間ですね。24時間があって、その前が11時間、そういうふうになっているのです。  そこで、最初にお聞きしたいのは、現在、札幌市において、1日当たり24時間の公的介護を受けている方の人数と、今言った11時間の公的介護を受けている方の人数をまずお聞きしたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  お尋ねの1日当たり24時間の公的介護を受けている方でございますが、これは全部で7人となっております。また、24時間の公的介護を除きました通常の支給量の上限は、ご指摘のとおり1日当たり11時間となっておりますが、その対象となる方は全部で61人となっております。 ◆林家とんでん平 委員  きょうも、後ろの傍聴者の中にその対象となっているそれぞれの方がお見えになっておりますけれども、途中でお帰りになった方がいらっしゃいます。それは、やはり呼吸がちょっと困難になってきてお帰りになったということで、とてもこれを注目しております。というのは、24時間の公的介護受けている方と、そうではなく11時間で生活している方と、どういうふうに違うのか。それで私もいろいろ相談を受けていまして、例えば11時間と考えてください。11時間の方が夜に介護を受ける。例えば、酸素吸入が必要で、もし外れた場合とか、いろいろなことが想定されますから、やはり夜に使うわけですね。夜に使う、そうすると昼間が手薄になるわけですよ。昼間が手薄になるわけですから、今度、昼間に、お金を払ったり、ボランティアの方々に来ていただく。きょうのように、やはり途中で苦しくなる状況の方がいらっしゃいますね。そういう方とか、例えば交通事故を起こして本当に動けなくなって24時間介護の必要な方も出てきているわけです。  今、61名のそういう方々がいるということでした。今言っているように、そういう方が夜に介護を受けていて、それでは昼間どうするのだと。お金を払って来ていただいて、しかし、お金も底を尽きます。なぜかというと、生活保護を受けているのですが、その受けたお金が足りなくなっていくわけですよ。足りなくなっていきますから、やはり24時間必要だということがわかりますよね。間違いなく、いつ、どうなるかわからない、そういう生活をなさっていますからね。こういう方がたくさんいるわけです。  ですから、ここで何を感じるかというと、札幌でそうやって生活している中で、いろいろな方がいるのですが、そうやって24時間介護が必要なのだけれども、受けられない方は、いわゆる生きる権利が保障されていないという気がするのです。ですから、全身性重度障がいの方々の中には、今の制度を不満に思っている方はたくさんいらっしゃるという現実をまずとらえていただきたい。  そういう観点から、まず、2点質問させていただきたいと思います。  1点目は、札幌市では1日当たり24時間の公的介護の対象者ということで、私はここがとても大切なところだと思うのですよ。進行性筋萎縮症により、常時、人工呼吸器を使用している人、その方と、脳性麻痺により著明な不随意運動及び言語障がいを伴う人に限っている、この二つがとてもネックになっているのですね。この類型に該当しない場合でも、なお1日当たり24時間の公的介護を必要とする人はたくさんいます。先ほど私がお話ししたとおり、たくさんの方々から相談を受けているわけですから、たくさんおります。  そこで、一つ目の質問ですが、札幌市において、この二つの類型に限定した根拠はどこにあるのか。根拠、これをまず一つお聞きしたい。  そして、二つ目は、1日当たり24時間の公的介護に該当しない場合は、重度障がいのある方でも最大で1日当たり11時間の支給量となっておりますけれども、サービス水準に大幅に差のある内容となっている、そう思うのですね。先ほど言ったように、24時間から11時間ですから、この間に段階を設けることなど、基準を見直す必要があると私は考えておりますが、この2点をお聞きしたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  1点目の24時間介護の対象者についてお答えいたします。  札幌市では、単身世帯等で、常時、人工呼吸器を装着している進行性筋萎縮症の方と、著明な不随意運動、言語障がいを伴う脳性麻痺の方を対象といたしまして24時間介護を実現しております。これは、進行性筋萎縮症は、人工呼吸器による呼吸介助を受けながらも、全身の筋肉が徐々にその機能を喪失していく難病のため、とりわけ、たん吸引等に多大な手間と時間を要すること、また、乳幼児の機能障がいである脳性麻痺では、不随意運動のため、例えば車いすからの転落などの危険に加えて、言語障がいによる意思疎通の困難性等によりまして多大な介護の手間と時間がかかることを考慮いたしまして、この二つの類型を特例的に24時間介護の対象としているものであります。  2点目の支給基準の見直しについてでありますが、このことにつきましては、これまで多くの方々からご意見をいただいております。支給量を定めます支給基準につきましては、それぞれの自治体で独自に定めておりますけれども、居宅介護などホームヘルプサービスの提供に係る経費につきましては、現状では国の負担基準は1日最大4時間程度にとどまっております。しかし、札幌市としましては、最大で1日11時間までの支給量を基本としまして、なお特例として24時間介護の認定をしているものであります。  1日11時間の支給量は、既に国の負担基準を大幅に超過しており、さらに支給量の引き上げを行いまして24時間介護の対象を拡大いたしますことは現状では困難でありますが、財政措置に係る国の動向や他都市での支給の状況も見きわめながら、引き続き適切な支給水準のあり方につきまして検討を続けていきたいと考えております。  なお、札幌市では、現在、1日11時間の支給決定を受けている方を対象に、生活状況や介護実態を把握することを目的といたしまして戸別訪問を行っており、あわせて、将来的にも持続可能な支援のあり方について、当事者の方からご意見をお聞きしているところであります。いただいた多様なご意見も検討に当たっての貴重な資料として活用させていただきたいと考えております。 ◆林家とんでん平 委員  2番目のお答えで、今、11時間の方々に対して聞き取りを始めたということは、私は評価したいと思っています。  しかし、1番目のお答えですけれども、答えになっていないかなと。そういうことを聞いたのではなく、何というのか、なぜこういうふうに枠をはめたのかなということですね。そういうふうに、枠ではなくて、例えば、この枠の中でも考えていただきたいと。先ほど言ったように、24時間介護の必要な方々がいるわけですよ。交通事故に関して言えばこれに該当しないわけですね。そういう方々はたくさんいると思うのです。そういう方々にも、ぜひ、こういう枠ではなく、字面で読めば当てはまらないのはわかりますけれども、実際に必要なわけですよ、生きる権利として。ですから、今後、2番目の11時間の聞き取り調査とともに、皆さんでこの辺もぜひ勉強していただければと。  そして、先ほど言ったように、私が一番最初に質問したころは14時間が最高だったのですね。14時間が17時間、20時間、24時間になった。本当は一緒に底上げになっていくのではないか、そうなっているのではないか、普通はそう思うのです。しかしながら、11時間から24時間の間があき過ぎて、生活保護を受けながらも生活できないでいらっしゃる、そういう方々がいるということをもう一度認識しながら、聞き取り調査も、そして、今後のいろいろな勉強というか、これらに関してぜひよく見ていただきたい、そう思うのです。そういう意味で、ぜひ、この枠を取り外すようなことも考えていただければなと思います。  次に、札幌市の障がい福祉計画では、現在、施設に入所している障がいのある方々をこれまで以上に地域に移行させることを計画しております。北海道では、地域生活への移行を進めるための検討委員会を立ち上げていると伺っております。今後、施設に入所されている方々の地域移行が進めば、在宅における長時間の公的介護の必要性が高まることは疑いのないことである、そう思うのです。  そこで、札幌市は、地域移行に向けた環境整備の一環として、支給量の水準を引き上げ、長時間の公的介護保障をますます拡大していく必要があると考えますがいかがか、お伺いしたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  今後、施設に入所されている障がいのある方の地域移行を進めるに当たりましては、長時間の在宅介護を初めといたしまして、日中活動の場の確保など、さまざまな支援体制を整備していかなければならないことは十分に認識しているところであります。委員ご指摘のとおり、現在、北海道におきましては、地域移行に当たっての問題を検討する委員会を設置したところでありまして、この委員会の委員には札幌市も加わっております。その委員会では、どのようにしたら地域移行が実現していけるのか、その課題と方策について検討しております。その中で、地域移行に当たって支給量の引き上げが必要か否かについても議論されておりますので、これらの議論を十分に踏まえて検討していきたいと考えております。 ◆林家とんでん平 委員  この関係の質問は終わりたいと思いますけれども、要望です。  先ほども言っているように、進行性筋萎縮症、常時、人工呼吸を使用している方と、脳性麻痺により著明な不随意運動及び言語障がいを伴う方々に限っているわけですね。私は、これはもしかしたら障がいの中の差別に当たるのではないか、そこまで思うのです。何でこっちだけと、そういうような気がするのですよ。やはり、24時間必要な方々がいるのですから、これに属する方々だけではなく、必要な方には必要な分を手当てしていただきたい。それには、聞き取り調査も含めて、いろいろ勉強していただければと思っております。  次に、障害者手帳に関係してです。  今マスコミで騒がれておりますが、障害者手帳に関して医師の診断書の内容が虚偽ではないかと疑われています。一つは、聴力障がい者に関するものと、もう一つは、障がいを装って生活保護費を不正に受給したと報じられている視力障がい者の問題であります。これも、マスコミの方にちょこちょこ出てきていて、本当に、どれをとって、どうやって理解していいかわからない部分があると思うのですね。ただ、これは、私たちが見ると、障害者手帳制度の根幹を揺るがす、そういうとても大きな問題であるなという気がするのです。必要だから取得をするわけです。しかし、必要ではない、いわゆる虚偽の方々がいらっしゃるということはとても残念でならない。  そこでまず、聴力障がい者の手帳不正取得疑惑に関して、これまでの経緯と札幌市の対応、そして現状はどうなっているのか、伺いたいと思います。あわせて、視覚障がい者の問題についてもお伺いしたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  まず、中央区の耳鼻咽喉科医が作成した聴力障害診断書によりまして身体障害者手帳を不正に取得した疑いが生じている件についてでございます。  札幌市では、当該医師の診断書が疑わしいとの情報を昨年秋ごろに得まして、身体障害者更生相談所との協議を踏まえ、11月16日付でこの医師に対して強い疑念を伝える警告文を発送いたしました。その後、平成14年度以降の手帳取得者96人に対しまして、2月中に指定病院で再検査を受けるよう文書で勧奨を行っております。まだすべての方の結果は出ておりませんけれども、2月末時点の状況といたしまして、検査を受けずに自主的に返還された方が29名、検査の結果、非該当となった方が22名、より低い等級に変わった方が8名、当初の等級に変更のなかった方が2名となっております。現在、検査を継続中、もしくはこれから検査を受ける方、また、検査は終了しましたけれども、さらなる診査を必要とする方が合わせて13名でございます。このほかに、受診の有無が確認されていない方が22名おりまして、合計で96名となっているところです。 ◎浜崎 総務部長  視覚障がい偽装による生活保護費の不正受給についてでございますが、これは、視覚障がいにより、身体障害者手帳1級の交付を受け、この手帳に基づいて支給される生活保護費の障がい者加算分、月額4万1,230円を不正に受給していたものでございます。  今回の事件は、ことし2月5日に、警察の方から、全盲とされる保護受給者が平成19年10月に運転免許の更新を行っていたとの情報を得たことにより、南区において直ちに調査を開始し、2月15日に南警察署に被害届を提出したものでございます。その後、警察の捜査により容疑が固まったことから、2月25日に逮捕に至っております。また、容疑者が逮捕されたことから、その翌日付で生活保護を停止しており、現在は捜査の進展を待っているところでございます。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  次に、視覚の障害者手帳の取得についてお答えいたします。  中央区の眼科指定医の診断書に基づきまして、平成11年4月に視覚障害1級の認定を行っております。今回の事件を契機に、改めて診断書の内容を精査いたしましたが、視神経炎により視覚障害1級であるという診断内容を疑わせるような記載はありませんでした。これまで、白石区及び南区で家事援助や移動支援などのサービス、また、補装具や日常生活用具などの給付を受けておりまして、現在、南警察署と協議しながら、虚偽の障害等級により給付したサービス費用の精査を行っているところです。 ◆林家とんでん平 委員  今、聴覚障がいの関係で言うと、再検査して、まだ22名受けていない方がいらっしゃいますけれども、今までと同じだという方はたった2名なんですね。これは、やはり問題ではないかなと。どこが問題かというと、もちろん手帳を取得した当事者と、やっぱり、診断書を書いた方にとても問題があるという気がするのです。なぜわからないのかというか、実際はわかるのではないかなと思うんですよ。これについては、今後、市としてどのような対応を考えているのか。  また、視覚障がいの方は、特定の個人の特異な問題と言いますけれども、生活保護と福祉サービス両面からの対応が必要になるのではないかと思うのですが、今後どのように対応していくつもりなのか、あわせて、この2点を伺いたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  聴覚障がいの問題に対する今後の対応についてでございます。  再検査を受けていない22名の方に対しましては、できるだけ早く区の担当職員が直接面接いたしまして一人一人の状況を把握したいと考えております。その結果を受けまして個別に対応を考えることになりますが、状況によりましては、身体障害者福祉法による診査命令も想定する必要があると考えております。  診断書を記載した医師につきましては、札幌市だけでなく、北海道の調査状況も踏まえた上で、指定取り消し等の具体的な対応について検討していきたいと考えております。 ◎浜崎 総務部長  生活保護の今後の対応でございますが、現在、本人が逮捕、拘留されておりますことから事情聴取をできない状況にございます。不正受給額を確定するためには、視覚障がい偽装の時期を確定する必要がありますので、拘留が解かれた後、本人に事情聴取を行った上で不正受給額について聴取を行っていきたい、このように考えているところでございます。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  視覚の障害者手帳取得のことについてお答えいたします。  本人の拘留が解かれた後に、法に基づきまして再検査を命ずることになります。また、その結果を踏まえまして被害額の返還請求をすることになると考えております。 ◆林家とんでん平 委員  最後に、要望ですが、今、身柄が警察の方にあるということもありまして、なかなか内容がわかってこないということが大きくありますけれども、聴覚障がいの関係では、残りの22名にも速やかに対処していただきたい。それから、視覚障がいの方も、警察でいろいろ明らかになって、その後にぜひ速やかな対処をしていただきたい。そうでなければ、障害者手帳制度の根幹を揺るがす問題でございますので、ぜひよろしくお願いいたします。 ◆小嶋裕美 委員  私からは、福祉のまち推進センターステップアップ事業についてお伺いいたします。  地域では、核家族化や少子高齢化が進む中、市民と行政がそれぞれの立場で協力して、地域ぐるみでお互いに支え合う環境を整え、だれもが安心して暮らせるまちづくりをするために、福祉のまち推進事業として、地域住民の日常的な支え合い、ボランティアによる福祉サービスの推進を事業の基本目標として活動が展開されてまいりました。  先ほど坂委員からご質問がありましたように、この福祉のまち推進事業を進めていくために、市民の方々による自主的な福祉活動を行う組織として、地区社会福祉協議会、社協と言われる、おおむね連合町内会ごとに地区福祉のまち推進センター、いわゆる福まちを設置し、各地区で地域に密着したきめ細やかな福祉活動が行われております。また、各区の社会福祉協議会の中に設置されている区福祉のまち推進センターでは、地区の福祉のまち推進センターの活動を支援したり、区内のボランティア活動の振興が図られております。  福まちの活動も10年を経過し、大きな節目としてこれまでの経過を踏まえ、その活動が見直され、福まち活動を担ってこられた福祉のまち推進員の方々から現状の課題などさまざまな意見が提示され、改善点を含めて今後の福まちのあり方について話し合いを重ねてこられ、地域性や各地区の特性、その活動の違いなどについては十分把握されていることと思います。特に、独居の高齢者が増加してきて、孤立死については全国的な問題として挙げられる今日、札幌市においても老人福祉事業では孤立死ゼロ安心ネットワークモデル事業などが上げられておりますが、安否確認、交流活動、福まち活動を進めていく上で連合町内会や民生委員の方々との連携は不可欠だと考えます。  福まちステップアップ検討会では、福祉のまち推進事業のさらなる活発化を図るため、福まち活動者、ボランティア、NPO活動者、学識経験者、社会福祉協議会職員、まちづくりセンター所長、区役所活動推進担当係長をメンバーとして、平成19年7月から平成20年1月まで6回開催されたと聞いております。この検討会で話し合われた内容を受けて、福まちの活動をもっと広くたくさんの市民に認知してもらうために、新年度は大きく三つの事業を計画されています。  そこで、ご質問いたします。  平成20年度の福祉のまちステップアップ事業の概要について伺います。 ◎浜崎 総務部長  福祉のまち推進センターステップアップ事業の概要についてでございます。  札幌市では、今年度、19年度、福まち活動の課題や今後の展開についての検討を行うために、福まちステップアップ検討会を開催して意見交換を行ってきたところでございます。来年度、20年度に実施を予定しておりますステップアップ事業は、検討会での内容を踏まえまして、福まち活動の活発化に向けた支援を行うことを目的とするものでございまして、地域の住民みずからが考え、地域の福祉課題を解決していくという地域福祉力の向上につながるものでございます。  具体的には、三つの事業を予定してございます。  まずは、ご近所パワー引き出し事業でございます。これは、検討会での地域課題を見つけて、みんなで共有しようという取り組みの柱を受けたものでございまして、住民の方々の話し合いの場であるワークショップにアドバイザーを派遣いたしまして、課題の共有化、解決策の検討というものを支援していきたい、このように思っております。  二つ目は、福まちの達人養成講座でございます。これは、検討会での活動の継続拡大に向けて担い手を広げていこうという柱を受けたものでございまして、まだ活動をしていない方を対象とした研修と、既に活動をしている方のうち、これから中心的な活動者として期待される方を対象として研修を行うものがございます。  最後は、福まちウイーク事業でございます。これは、検討会の中でも、福まちを知ってもらう、PRしようということがございました。福まち活動の一層の周知を図るために期間中にさまざまな取り組みを実施していこう、こういうものでございます。 ◆小嶋裕美 委員  ステップアップ事業の全体については大体理解できました。主体的に福まち活動を担ってこられた福まち推進員を初め、ボランティアの方々、支援体制を整備している連合町内会ごとの地区社会福祉協議会や民生委員の方々との連携をさらに密接にして、福まち活動がますます向上することを期待するところでございます。  そこで、それぞれの具体的な事業の内容について2点伺います。  まず、ご近所パワー引き出し事業と、ユニークなネーミングで興味が持てるところですが、ワークショップの開催支援の対象となる地区としてはどのような地区を考えていらっしゃるのか、また、88の地区からその地区をどのように選定するのか、お伺いいたします。  2点目として、アドバイザーを派遣するということでございましたが、アドバイザーとしてはどのような方が適任であると考えていらっしゃるのか、また、アドバイザーはどのような支援をすることになるのか、伺います。 ◎浜崎 総務部長  まずは、対象地区の選定でございます。  福まち活動は、地域の方々の主体的な活動でございまして、みずから課題を解決していこうという意欲のある地区が適当であると考えているところでございます。具体的な選定につきましては、地域の実情を把握している区社会福祉協議会や区役所とも検討しながら選定してまいりたい、このように思っております。  次に、アドバイザーの適任者、支援内容等でございます。  アドバイザーには、地域福祉やワークショップに知識や経験を有する調査研究所や大学、ボランティア、NPO団体などの方を予定しているところでございます。また、アドバイザーには、事前準備から実際のワークショップの開催及び取りまとめまでの全体にかかわって助言していただくことを考えているところでございます。これによりまして、地域の方々が課題の解決に向けて動き出すきっかけづくりになるのではないか、このように思っているところでございます。 ◆小嶋裕美 委員  とても有効な事業だと思いますので、ぜひその行く末を見届けてまいりたいと思います。  続きまして、福まち達人講座は何を目指して行うのか、メリットを伺いたいと思います。  また、人材を養成した結果、その成果を出すための工夫としてどのような方法を考えているのか、伺います。  また、福まちウイークについても、知ってもらうPR活動ということでございますが、具体的な内容がございましたらお聞かせいただきたいと存じます。 ◎浜崎 総務部長  まず、福まちの達人養成講座の目的、実施方法についてでございます。  これは、今年度行いました福まちステップアップ検討会で、活動者の高齢化、固定化が課題であるという意見が多くあったことを受けまして、活動の担い手の拡大を目的として行うものであります。具体的には、担い手の一層の拡大を図るために、福まち学習会と将来の地区福まちを担う方の養成を行う次世代リーダー養成研修を実施したいと考えております。これらの研修は、講義形式による学習会や福まち活動の体験、そして、それらの振り返りを同じ受講者で実施し、知識、体験に加えまして、受講者同士の仲間づくりも行うことによりまして受講者が地域の活動に結びついていく、こんなことを期待しているところでございます。  次に、福まちウイークの内容についてでございますが、これは、福まちの福ということで2と9でございまして、9月にPR強化月間を設けまして、地区福まちの活動を知ってもらうための取り組みを行うものでございます。具体的には、福まちに関するフォーラムとか研修会、活動を紹介するパネル展などを実施していきたい、このように考えているところでございます。 ◆小嶋裕美 委員  最後に、要望を申し上げて終わりたいと思います。  先進諸国の高齢化率を比較して見ますと、我が国は、1980年度までは下位、90年代は中位、21世紀初頭には最も高水準になって、世界のどの国もこれまで経験したことのない高齢社会になると見込まれております。我が国の高齢化率は、2005年の段階で、先進地域の15.3%に対して、日本は20.1%、2050年には、先進地域は約26%になると言われておりますが、日本は約2倍、45年間で2倍の40%になってしまいます。日本の将来推計人口によれば、団塊の世代が65歳に到達する平成24年度から26年度には、65歳以上の高齢者が年に約100万人ずつ増加すると見込まれております。15歳から64歳の生産年齢人口、現役世代で1.3人が1人の高齢者を支える社会が2055年には到来するというふうに言われております。  このように、少子高齢化の急速な進展に伴い、福祉の理念も保護救済から自立支援へ大きく変化してきております。介護保険制度の導入、社会福祉法の施行など福祉制度の改革が目まぐるしい中で、時代背景を踏まえ市民のニーズに対応した新しい社会福祉制度の仕組みづくりの推進が必要です。福まち活動の実態をしっかりと把握し、地域の現状を踏まえて、社会福祉協議会との協議のもと、よりよいステップアップが図られるよう今後も検討を重ねていただきたいと思います。  福まちの担い手である推進員、連合町内や社会福祉協議会の方々、そして民生委員、ボランティアの方々など、円滑に連携して、すべての市民が安心して快適に暮らせる人に優しいまちにするための市、事業者、市民それぞれの役割、責務を守り、協力しながら福祉のまちづくりを推進していくことが大切であると思います。札幌市は、その責務として、市民の皆さん、事業者の方々の自発的活動をしっかりと応援できるよう、部分的ではなく、総合的に取り組むよう強く求めまして、質問を終わります。 ◆芦原進 委員  私は、障がい者福祉事業関連について、2点質問します。  1点目は、元気はっけん(派遣)事業、2点目は、視覚障がい者施策について、分けて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  元気はっけん(派遣)事業、派遣と書いてはっけん、非常にすばらしいネーミングだなと思います。新年度予算として500万円が計上されておりますが、ことしの正月早々に某新聞に「障害者就業派遣で活路 札幌市、人材会社と連携」という大きな見出しで、元気はっけん(派遣)事業が報じられました。びっくりしました。何も聞いていないなと思いましたし、また、すばらしい取り組みだなということも思いました。  最近、札幌市の障がい者就労支援施策は、先ほどもありましたが、授産製品を販売する地下鉄大通の元気ショップや障がいのある人と障がいのない人が一緒に働き新しい事業を行うという障がい者協働事業などに見られるように、障がい者就労に大変力を入れており、各方面から大変注目を浴びているところであります。  さきの代表質問で、我が会派の青山議員が、この元気はっけん(派遣)事業が市長の進めるさまざまな障がい者就労支援の中でどのような位置づけになるのか、質問をいたしました。理事者からは、この事業は、重度障がいのある方などを対象に、これまで進めてきた福祉的就労とともに、障がいのある方の就労支援を総合的に進めていくものである、このような答弁をいただいております。  そこで、この事業について、さらに具体的に幾つかお尋ねしたいと思います。  1点目は、この事業の目的と事業対象者についてであります。  改めて、この事業目的とともに、新聞や、さきの代表質問で重度の障がい者などを対象にすると答弁をされておりますが、なぜこの事業の主たる対象者を重度障がい者などとしているのか。障がい者はたくさんいらっしゃるわけですから、その理由を伺いたい。  あわせまして、具体的にどのような事業内容を予定しているのか、現段階で考えられている内容についてお伺いします。  2点目でございます。  この事業を行う民間派遣会社の選定基準についてであります。  札幌市内にはかなりの数の民間派遣会社があると思いますが、その数は200を下らないとも聞いております。新聞報道後、多数の問い合わせが原局にあったとも聞いておりますが、どのようにこの事業の実施者を決めようと考えているのか、今後の事業実施スケジュールもあわせてお尋ねいたします。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  元気はっけん(派遣)事業についてお答えいたします。  まず、1点目の目的と対象者についてでありますけれども、この事業は、主としてこれまで障がいのある方を雇用したことのない企業を対象にいたしまして、一定期間、派遣という形態の就労を通じて、障がいに対する理解を深めていただき、直接の雇用につなげることを目的に実施するものであります。  この事業の対象者につきましては、3障がいすべてを対象といたしますが、昨年末に公表されている札幌圏の雇用状況では、雇用される障がいのある方の半数以上が比較的軽度の身体障がいである現状を踏まえまして、特に民間企業において雇用が少ない身体障がい1・2級の方、そして知的障がい、精神障がいを対象として実施しようとするものであります。  次に、具体的な内容についてですが、事業内容といたしましては、就労を希望される障がいのある方を登録し、民間派遣会社が持っている求人情報の活用や派遣受け入れ企業の開拓などを行いまして、障がいのある方の能力と企業のニーズを照らし合わせて適合する方を派遣することを基本としております。このほか、登録している障がいのある方に対し、パソコン入力や接客技能など企業が求める職業能力を身につけるための研修の実施や、派遣の全段階に当たる職場実習のコーディネートもあわせて行うことを考えております。  2点目の選定基準といたしましては、各派遣会社が保有する企業の求人情報数や、これまでの派遣実績、派遣先への定期的な現況把握方法などのほかに、障がいのある方の特性等を踏まえてどのような配慮や工夫を行うかといった視点を大事にしたいと考えております。  今後は、派遣会社の選定基準、選定した会社の具体的な事業計画、登録する障がいのある方の募集方法など幾つかの検討課題を整理しながら、本年秋以降に事業が開始できるよう進めてまいりたいと考えております。
    ◆芦原進 委員  今、答弁いただきましたが、一定期間、派遣し、直接雇用につなげるようにしていきたいということでありますし、また、3障がいすべてが対象だけれども、しかし1・2級、重たい方、または知的、身体の皆さんを対象にしておりますと。また、登録会社にしっかり研修等もやっていただいて、能力開発をしながら、秋をめどにということでございます。  これは、もうこれ以上質問はしません。とりあえずは、これからしっかりやっていただくのが大事なことです。障がいのある方の就労支援は、特に重度の障がいがある方は非常に大変な中で一生懸命頑張っておられます。全国でも初めての取り組みということでありますし、やはり、重い障がいのある方、また家族、関係者の方も非常に注目していると私は思います。この事業を実施するに当たっては、先ほどありましたが、事業者の選定というのは私は非常に大事になってくると思いますし、大変難しい面もあると思います。また、事業展開そのものも大変混乱を来すのではないかと思います。  しかし、一歩を踏み出すわけですから、後戻りするわけにはいきません。これは保健福祉局だけで取り組むというものではなくて、やはり、全市を挙げてしっかり取り組んでいただきたい、このように思います。もちろん、札幌市内はもとより、全道、全国から、障がいのある方たちの本当に希望の光になるような、そういう方向にしっかりとやっていただきたいことを要望して、このことについては終わりたいと思います。  次は、視覚障がい者施策についてでございます。  今まで視覚障がい者については何度か質問いたしました。昨年の第3回定例会でも、視覚障がい者に対するSPコードの活用策について質問したところであります。またかいと言われますが、改めてお尋ねしたいと思います。  SPコードは、もう皆さんご存じのように、視力に障がいのある方の情報アクセスをより容易にする手段として、最近、新たに開発されたものであります。紙に印刷された内容が約80字程度に要約したバーコードに表示されるというものであり、このバーコードを専用のSPコードリーダーを使って読み取らせると、それが音声になって聞こえてくるという非常にすぐれたものであります。  視力に障がいがある方は、これまで、主には点字が情報伝達手段として利用されてまいりましたが、事故、また糖尿病等を併発した病気、また高齢化の進行に伴って、いわゆる中途失明者が増加していると伺っておりますし、点字が使えない方も同じように増加をしていると聞いております。  このような方々にとって、SPコードの使用は極めて有効な情報伝達手段と私は考えます。特に、行政は実にさまざまな情報を住民に発信しております。私は正確な数を把握しておりませんが、1年間に発行される札幌市のパンフレットやリーフレットは相当な量に達しているのではないかなと思います。私は、昨年来、行政情報をSPコード化して、視力に障がいのある方もひとしくそれらの情報に接することができるよう要望してまいりました。まず、障がい者福祉行政を担当する保健福祉部がSPコード化に取り組むよう求めてきたところでございます。平成20年度の福祉ガイドをSPコード対応にするという答弁もいただいているところでありますが、新年度早期の実現を楽しみにいたしております。  しかし、単に情報をSPコード化したとしても、幾ら福祉ガイドにSPバーコードをつけたとしても、それを読み取らせるものがなければ、古いことわざで「仏つくって魂入れず」とありますが、最近こういう言葉を使う人は少ないでしょうけれども、有効に活用できません。そうしたことで、SPコードリーダーは視力障がい者の日常生活用具として、1割の自己負担で利用できることができるようになっておりますが、残念ながらまだ十分に普及しているとは言えない状況下にあります。  そこで、提案と質問でございますが、国が19年度、20年度の2カ年にわたって視覚障害者等情報支援緊急基盤整備事業を実施して各種情報機器の普及を進めており、本年度は視聴覚障がい者情報センターが必要な機器整備を進めたと聞いておりますけれども、20年度にはこの事業を活用して各区にSPコードリーダーを設置してはいかがかと思っております。各区の福祉の窓口にSPコードリーダーを設置しておけば、区に立ち寄ったついでと言うのはおかしいのですが、身近ですから気軽に利用することができるわけであります。行政情報のSPコード化と、身近な区役所への読み取り装置の設置によって、視覚障がいのある方の情報バリアフリーは格段に進んでまいるのではないかと考えますが、国の補助事業の活用によってSPコードリーダーを各区に配置することについて札幌市はどのようにお考えか、明らかにしていただきたいと思います。 ◎岡田 障がい福祉担当部長  SPコードリーダーの配置についてでございます。  これまでの議論を踏まえまして、本年度は、視聴覚障がい者情報センターに1台配備をいたしまして、障がい福祉課にも現在1台発注しているところであります。  各区への配置につきましては、委員のご提言にありました平成20年度の視覚障害者等情報支援緊急基盤整備事業の適用について、今後、補助金の申請先であります北海道との協議等を踏まえ、可能な限り整備する方向で検討してまいりたいと考えております。 ◆芦原進 委員  検討するということでございますので、実施するということでぜひお願いしたいなと。  最後になりますけれども、やはり、逆転の発想を持たないと。どういう逆転の発想かというと、自分が、ある日突然、明かりがなくなって目の前が真っ暗になった、そうしたらどのようにすれば、どうしてもらえば本当に豊かに生活できるかということを考えれば、そこから発想を出せば、それは皆さんもそうだと思います。そんなことないとはおっしゃらないと思います。まさに、そういう発想で、やはり目が見えない方も含めてしっかりと福祉施策を身近で活用するようにして、遠いところまで電車に乗ったりバスに乗ったりして行くようであれば、これは余り利用価値がございませんので、区役所を中心としたところでしっかりと取り組んでいただきたいと強く要望いたしまして、質問を終わります。 ◆川口谷正 委員  私も、芦原委員の誠実な質問にならって、順次、4点ほど質問いたしたいと思います。  残留邦人等支援問題についてでございます。  このたび、予算計上されました中国残留邦人等生活支援給付金2億8,400万円余、同じくその事業費として2,200万円余が計上されているわけであります。一口に残留邦人等と言いますけれども、これはお互いやりとりをわかりやすくするためにあえて申し上げますが、正確には、1945年の終戦当時に中国の東北地方、旧満州に残された子どもや婦人等を中国残留孤児、または中国残留婦人等というふうに呼んでいます。これらを総称して中国残留邦人というふうに呼びます。また、同じ時期に、樺太、これは千島を含んでおりますけれども、ここに残留を余儀なくされた方々を樺太等残留邦人というふうに呼びます。このため、中国残留と樺太残留邦人をあわせて、邦人等、つまり「等」ということがついてくるわけであります。  この場合、ふくそうしますので、時間の関係もありまして、中国残留孤児と言葉を整理させていただいて、以下、質問したいというふうに思います。  昨年の11月28日の国会で、長い法律の改正がございました。中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律であります。これにより、国を相手に損害賠償訴訟を起こしておられた残留孤児2,200人は、訴訟を終結させることになっていったわけであります。  この法律の改正のポイントというのは、その要旨として、今次大戦に起因して生じた混乱等により、本邦に引き揚げることができず、引き続き本邦以外の地域に居住することを余儀なくされた方々、それから、このような中国残留邦人等が置かれている特別な事情にかんがみ、その老後の生活の安定のための特別な措置を講ずるということでございます。  この場合に、特別な事情ということが何かと。ここに三十そこそこの、手前どもの山口かずさ委員もおりますのであえて申し上げますが、長期にわたって残留を余儀なくされたため、日本人としての義務教育を受けるチャンスがなく、多くの人が今日においても日本語が不自由な状態、帰国がおくれたために高度成長の恩恵を享受することができず、老後の備えが不十分、こういう特別な事情にかんがみて特別な措置を講ずるというのが今回の改正のポイントであります。  この法改正の背景というのは、1978年の日中平和友好条約が調印されまして、それからさらに3年を要したわけでありますけれども、残留孤児の身元調査が行われることになりまして、孤児が初来日された1981年3月から始まったわけであります。  以降の調査の状況については省略をいたしますけれども、私が現在持っている資料によれば、総数で6,283世帯、同伴家族を含めますと2万338人ということになります。このうち、いわゆる孤児は2,519人、平均年齢は70歳を超えています。1981年当時でもう既に40年以上の歳月が流れ、調査は困難を極めたことはまだ記憶に新しいのではないかなというふうに思います。  親族が見つかって帰国されても、年齢、言葉の壁、生活習慣の違いなど苦労が絶えない、そして、その多くは生活保護を受ける事態となって、約6割の方は生活保護を受けておられると言われております。このため、最初に申し上げた孤児の方々は、2002年に国家に損害賠償訴訟を起こしたわけであります。  ことしで言えば戦後63年たっていますので、もう亡くなった方も多い。国の棄民政策や怠慢、不作為によって傷心のうちに亡くなった方も多い。  それで……。済みません。  この問題が、急遽、解決に向かったのは……。委員長、済みません。  北朝鮮の拉致問題がありまして、小泉さんと、それから安倍さんによって、特に去年の2月に安倍総理大臣が指示をしまして、北朝鮮の拉致被害者の生活支援と、それから中国から帰ってこられた方の生活支援に差があるということが問題になりまして、急遽、解決に向かったという事情があります。  ちょっと感情移入しまして、申しわけございません。  それで、4点の質問をいたしますが、最初に2点です。  一つは、新たな支援策の概要についてお願いしたいと思います。この法律の改正によって、帰国者は相当程度生活が改善されるのではないかという期待があるわけですけれども、1点目はそのことであります。  それから、そのことによってどれだけの効果というか、その方々の生活が改善されるのか、できるだけ具体的なケースを用いて答弁いただければというふうに思います。 ◎浜崎 総務部長  中国残留邦人等への新たな支援策についての背景、その趣旨については、今、委員が述べたとおりでございますので、私の方は省略させていただきます。  まず、この支援策の内容でございますが、三つございます。  一つは、老齢福祉年金の満額支給であります。これは、年齢の一定要件を満たす中国残留邦人等の方々を対象にしまして、帰国前の公的年金に加入できなかった期間や、帰国後の期間について保険料の追納を認めまして、追納に必要な額は国が全額負担ということになっております。これによりまして、満額の老齢基礎年金を支給しようというものでございます。  二つ目は、先ほどの2点目の質問にかかわってきますが、老齢基礎年金を補完する生活支援給付でございます。これは、満額の老齢基礎年金を受給しても、なお生活の安定を十分に図ることができない中国残留邦人等とその配偶者の方を対象としまして、生活保護の最低生活費の基準相当額を支給しようというものでございます。  三つ目が、地域社会における生活支援でございます。これは、中国残留邦人等とその配偶者及び2世、3世の方が、言葉や生活習慣の違いから、定着先の地域社会においてさまざまな困難に遭っている現状を踏まえまして、地域生活支援プログラムや身近な地域での日本語教育、自立支援通訳の派遣など、地域における中国残留邦人支援ネットワークの構築などを行いまして地域支援を促進しようというものでございます。  2点目の新たな支援給付についてどう改善されるのか、具体的モデルをということでございます。  生活支援給付につきましては、中国残留邦人等の方々が、日本語が不自由で生活習慣も異なることから、地域で孤立し、貯蓄もできずに老後の不安を抱いているなどの現状に対しまして、老後の生活を安定させる観点から設けられているものでございます。  生活支援給付の効果についてでありますが、これまで、中国残留邦人の方々が年金などの社会保障給付を活用しても、なお生活に困窮する場合、生活保護の適用によりまして生活支援を行ってまいったところであります。このため、世帯の生活費は、年金を受給したとしても、全額が収入認定をされまして最低生活費基準相当額にとどまる、こういうことになっていたところでございます。  このたびの生活支援給付によりまして、残留邦人の方が65歳以上の場合には、老齢基礎年金の月額6万6,008円が満額支給されます。さらに、この世帯の最低生活費相当額が加算されて支給されることになるものであります。例えば、帰国者本人の平均年齢が70.52歳でございますので、中国残留邦人本人が70歳、その配偶者68歳という家庭を想定いたします。この場合、中国残留邦人に老齢基礎年金6万6,008円が支給されます。それでも、そのほかに最低生活基準相当分ということになるわけですが、食費としてのお金、そして世帯を維持するお金、それに冬場であれば冬季加算が加わります。これで、その世帯の生活扶助基準というものが出てまいりますが、これが14万1,620円ということでございます。このほかに、住宅扶助費とか医療扶助とか、そういうものがまだつけ加わっていくわけでありますけれども、金額で申しますと、今までは14万1,620円という生活扶助費でありましたが、これに、老齢基礎年金は収入認定いたしませんので、これが加算されて1カ月当たり20万7,628円というお金がいくことになるわけでございます。また、この世帯に他の収入があった場合でも、3割を控除して7割分を収入として認定するなどの措置も講じられておりまして、中国残留邦人の老後の生活安定に効果があると考えているところでございます。 ◆川口谷正 委員  今まで、生活保護という枠の中でしか生活ができていない方にとっては相当程度の改善かなというふうに思います。  この支援法の適用に当たっては、せんだって、厚生労働省が招集をかけて全国の担当者を集めて説明会があったようでありますから、詳細についてはまだちょっと不透明なところもあるようでございますけれども、この適用に当たっては遺漏のないようにくれぐれもお願いしたいというふうに思っております。  あと、2点の質問ですが、新たな支給給付の対象者でありますけれども、これは、厚生労働省が全部押さえているらしいです。私も、この問題を取り上げるに至ったのは、町内にたまたま中国から帰国された方と、それから、樺太からカザフスタンに送られて、そして帰ってきたというロシア語圏の方の二つのケースがあったのです。その方々は、特にロシア語圏の方については、本当に苦労されて、そしてロシア語の通訳が少ないのです。奥さんが心臓の手術を受けて、その後、膵臓の手術をするのに札幌の市立病院でやろうかといったときに、ロシア語の通訳がいないとできないとお医者さんに言われたと。それで、探したけれども、当時は道の所管ですから道庁に頼んだら、道庁は探せないので自分で探してくれということになって、結局、この方は所沢の友人を呼んで、そして手術を受けたわけです。  そういうような、非常に、何ていいますか、法律の建前はあるのだが、実際の運用面では本当にきめ細かさがない。中国語圏の方はまだ相当豊富なのです、通訳の方が多いのですが、このロシア語の方は本当に苦労をされているわけです。そういう保護の状態から、今回は全く別な支援制度で受けられるという点で私も非常に期待をしているわけです。  対象者を漏れることなく把握して給付をしていただきたいわけですが、把握の状況について並びに漏れることのないような周知をお願いしたいと思うのですが、この点が1点です。  それから、生活保護から離れますので、今後、どういう支援体制をとっていかれるのかについてお答えいただきたいと思います。 ◎浜崎 総務部長  まず、対象者の把握の関係でございます。  先ほど委員からもございましたように、厚生労働省では、永住帰国した中国残留邦人等をすべて把握しているところでございます。このため、まずは厚生労働省において対象予定者名簿を作成し、今回の支援対象となる方々にパンフレットを直接送付するなど、周知活動を行っているところであります。また、札幌市に対しましては既にこの名簿が送付されておりまして、現在、生活保護受給の有無の確認作業を行っているところでございます。これは、生活保護を受けている方については自動的に生活支援給付に切りかえられるためであり、この名簿から漏れている場合には厚生労働省へ連絡するなどして対象者を確定し、漏れなく支給されるよう万全を期しているところでございます。  なお、保護を受けていない方々につきましては、20年4月から申請を受け付けまして、4月中に申請があった方については4月1日までさかのぼって給付することになっているところでございます。  それから、新たな支援給付金の実施体制についてでありますけれども、実際の給付事務に当たりましては、中国残留邦人の方々の心情に十分配慮いたしまして、かつ利便性も考慮して、新たな申請とか相談の窓口を区役所に置くことにしているものでございます。 ◆川口谷正 委員  最後の質問というか、提言になるかというふうに思います。  この方々については、これまで生活保護が適用されてきたものですから、預金を持てないとか、保険に入れないとか、車を持てないとか、それから、特に中国の帰国者ですから、養父母のところへお見舞いに行くとか墓参に行くということがあれば、その期間は生活保護を切られるとか、さまざまな制約があります。そして、毎月の訪問など、言葉を悪く言えば、行政の介入を受けてきたわけです。今回はこうしたくびきから開放されるという点が、皆さんにとっては本当に最大の朗報になるのだろうというふうに思います。  最後に、私は副市長にお伺いいたしますけれども、なぜ残留孤児に生活保護はふさわしくないのか、どのような配慮が必要なのかというふうに問われたときに、どう答えるか。つまり、私が問いたいのは、どうしてもこれまでの生活保護ということが行政サイドにしみついております。同じ生活困窮なら、中国の残留孤児の人も生活保護でいいのではないかという意識が相当程度あると僕は思うのですね。なぜ、生活保護はふさわしくないのかということを問われたときに、全庁的に、この法律の精神である特別の事情に配慮してやっているのだということを徹底していただかないと、実際の運用に当たってそごを来すのではないかなというふうに思いますので、副市長の認識を伺って、遺漏のないようにお願いしたいというふうに思っております。 ◎中田 副市長  中国の残留孤児の方々につきましては、戦後、本当に厳しい生活状況の中で日本に帰国されたという状況がございます。そういうことも含めまして、やはり、私どもは、同じ日本人として、そして、そういう状況をもたらしたということも含めまして、私どもが責任を感じていかなければいけないことである、このように思っているところでございます。したがいまして、私どもの責任として、しっかりとそれらの方々を把握し、そして、支援をしていくことは当然のことであろう、このように認識をしております。 ◆川口谷正 委員  それでは、大変失礼をいたしましたけれども、これで質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からも、中国残留邦人等への新たな支援策について質問したいと思います。  今、川口谷委員から、大変深い深い思いがこもった質問がありまして、その後ということで、私はまだまだ浅学未熟ではありますけれども、我が会派を代表しまして、今回、この問題について質問したいというふうに思います。  まず、今回、残留邦人等を把握している数字ですけれども、いろいろな数字がございますが、とりあえず国が把握している数字によりますと、北海道ではこれまで236世帯、780人の中国残留邦人等の方々が永住帰国をされておりまして、この中には樺太の残留邦人の方々も45世帯、128人含まれております。  これら中国などから帰国された方々につきましては、日本語が不自由であるため、先ほどもございましたけれども、病院に行った際に病状をうまく伝えられないとか、また、区役所に申請をする際にも字が書けずに困ることがあるとか、地域で孤立をしてしまいがちになっているという状況など、さまざまご苦労されているという話を聞いております。  こうした中国残留邦人等の方々への支援につきましては、我が党としても特に力を入れてきたところでありまして、我が会派としても、これまで日本語学習の拡充などを要望してきたところであり、昨年には中国帰国者等生活実態調査を実施いたしまして、また、その上で中国帰国者等支援セミナーを開催してきたところでもあります。  そのような中、今般、制度改正によりまして、国から新たな支援策が打ち出されました。新たな支援策のうち、老齢基礎年金満額支給と新たな支援給付につきましては、先ほど質問の中でさまざまに答弁がございましたけれども、これについてはしっかり確実に支給を行っていただきたいと、私どもとしてもしっかり要望していきたいと思います。  その一方で、地域社会における生活支援についても、中国残留邦人等の方々が地域社会の一員として生き生きと暮らしていくために大変重要なものであるというふうに思っております。また、地域社会における生活支援につきましては、これまで都道府県が実施をしてきた事業でありますけれども、それが市町村に移管されるものであり、より身近なところで事業が実施されるということでありまして、中国残留邦人等の方々にとっては、よりきめ細やかな対応が得られることになり、大変よいことだなというふうに考えております。  そこで、そのような観点から、地域社会における生活支援に関して、何点かお聞きをしたいと思います。  1点目は、札幌市のこれまでの取り組みと今後の事業についてであります。  今回の制度改正によりまして、地域社会における生活支援は都道府県から市町村に移管されることになるのですが、この点に関してこれまで札幌市として取り組んできたことは何か、また今後どのような事業を行っていく予定なのか、お伺いいたします。 ◎浜崎 総務部長  札幌市のこれまでの取り組みでございますが、平成12年度から、札幌市社会福祉協議会に中国帰国者生活相談室運営事業を委託しております。中国帰国者生活相談室では、2名の相談員が就労、生活、教育、住宅など総合的な相談をお受けするとともに、行政や中国帰国者支援団体など各種機関との連絡調整を行っております。  なお、相談件数につきましては、年間4,000件を超えているところでございます。  また、札幌市の今後の事業についてでございますが、20年度は二つの事業を実施する予定でございます。  一つは、自立指導員、自立支援通訳の派遣でございます。これは、言葉の問題や生活習慣などの違いからさまざまな困難を抱えている方々に対し、日常生活上の相談や助言、公的機関などのサービス利用時における通訳の派遣などの支援を行うものでございます。  二つ目は、地域生活支援プログラムの実施でございます。これは、地域の中で自立した生活ができるように支援するために、日本語学習に必要な交通費や教材費を支給する日本語学習支援、就労に役立つ資格取得を希望する方に対して学費等を支援する就労支援などを行うものでございます。 ◆福田浩太郎 委員  ただいまの答弁で、生活支援についてのこれまでの取り組みと今後の事業は理解をいたしました。  続いて、2点目は、中国帰国者支援交流センターとの関係についてであります。  中国帰国者支援交流センターは、中国帰国者等について、国民の関心と理解を促し、地方公共団体との連携のもとに、民間ボランティアや地域住民の協力を得ながら、日本語学習支援事業、相談事業、交流事業などを中長期的に行うための拠点として国が設置をするものであります。平成19年8月1日には、北海道中国帰国者支援交流センターが、東京、大阪、福岡、名古屋に次いで、札幌にも開設されまして、日本語学習や交流の拠点として日本語教室、パソコン教室、交流サロン、研修会など多くの中国残留邦人等の方々に利用されております。このため、より適切な中国残留邦人等の方々への支援を行うためには、このセンターとの連携を図ることが必要不可欠と考えます。  そこで、中国帰国者支援交流センターと今後どのような関係を持とうとしているのか、お伺いしたいと思います。 ◎浜崎 総務部長  中国帰国者支援交流センターとの関係でございます。  委員ご指摘のとおり、より適切な中国残留邦人等の方々への支援を行うためには、中国帰国者支援交流センターとの連携を図ることが不可欠だと考えているところでございます。  中国帰国者支援交流センターは、従来の中国帰国者自立研修センターにかわって設置されたもので、これまで多くの中国残留邦人の方々が日本語教室や交流サロン等を利用してきた実績がございます。今後、中国帰国者支援交流センターが、日本語学習や交流活動の拠点として一層活用されるよう、札幌市としてもできる限り協力をするとともに、このセンターが持つ経験や知識を札幌市の支援策にも活用できるよう連携を深めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  ただいまの答弁にもありましたけれども、帰国者の支援交流センターの方にはさまざまな経験がございます。苦労もあったという話も聞いております。そういった部分で、しっかり協力をしていただいて進めていただきたいというふうに思います。  3点目は、利用者ニーズの把握についてであります。  地域社会における生活支援に当たっては、中国残留邦人等の方々がどのようなことに困っているのか、どのようなことを必要としているのかなど、具体的なニーズを把握していくことが必要であるというふうに考えます。  そこで、今後、中国残留邦人等の方々のニーズをどのように把握し、それをどのように札幌市の事業に生かしていくおつもりか、お伺いしたいと思います。 ◎浜崎 総務部長  利用者のニーズ把握についてでございます。  中国残留邦人等の方々の支援を効果的に行うためには、支援策を利用されている方々のニーズを的確に把握することが必要だと考えているところでございます。今後、中国残留邦人等の方々への理解が深く中国語等のできる自立指導員や支援相談員が、中国残留邦人等の方々と実際に面談し、家庭を訪問することになりますので、このような活動を通じて多くの方々のニーズを把握していきたいと考えているところでございます。また、そのニーズを踏まえまして、市職員、自立指導員、支援相談員が意見交換を行いまして、より適切な支援策を検討したい、このように考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  ただいまの答弁にあったように、ニーズ把握に努めていただきたいというふうに思います。  最後に、要望で終わりますけれども、中国残留邦人等1世の方々に対しましては、今回の制度改正により老齢基礎年金の満額支給や新たな支援給付が実施され、老後の生活安定の充実が図られることになりますけれども、先ほどの質問でもありましたが、今後大切なことは、こうした社会保障制度の給付対象にならない2世、3世の方々でありまして、現に今、日本の国で学校へ行ったり、また働きながら生きていかなければならない、そういった2世、3世の方々への支援が重要になってくるのであります。そうした方々につきましては、日本語学習の支援や就労支援など、地域社会の一員として生き生きと暮らしていけるような施策がますます重要になってまいります。この点については、札幌市としてもぜひ力を入れていただきたいというふうに思います。  また、市町村で事務を行うメリットは、よりきめ細やかな対応が期待できることにあります。今後、中国残留邦人等の方々の話をよく聞いていただいて、関係機関と連携しながら取り組みを行っていただきたいということを要望して、質問を終わります。 ○大嶋薫 委員長  以上で、第1項 社会福祉費の質疑を終了いたします。  次に、第4項 生活保護費について質疑を行います。 ◆佐々木みつこ 委員  2月22日、代表質問で私が取り上げさせていただきました生活保護費の支給のあり方について、さらに質問させていただきます。  滝川の不正受給の事件、そして、先ほどこの委員会でも事例として挙げられました南区の視覚障がい偽装事件と、生活保護を取り巻く事件が続いております。こうしたことから、受給者による不正や実施機関の不十分な調査、審査により、必要のない支給が行われているのではないかといった批判や指摘があり、このままでは生活保護制度に対する市民の信頼が薄らぎ、最後のセーフティーネットであるべきこの制度の根幹を揺るがしかねないことから、代表質問では、不正な支給の実態と検証、不正受給に対する保護費の徴収の取り組み、不正受給の防止や適正な支給に向けた取り組みについて質問させていただき、基本的な考え方や対策についてお答えいただいたところです。  きょうは、さらに一歩突っ込んで、本市の具体的な対応などについて何点か質問させていただきます。  まず、本市における不正受給の現状について、件数とその金額、内容、さらには不正受給が発生するのはなぜだとお考えなのか、お伺いいたします。 ◎浜崎 総務部長  不正受給の現状でございます。  18年度の不正受給件数は、全市で320件で、この件数は被保護世帯の0.9%に当たるものでございます。不正受給の金額は、2億7,000万円ということでございます。  その内容でございますが、稼働収入があるにもかかわらず、申告のないものが161件ということで、全体の半数を占めております。このほか、各種年金の未申告、稼働収入の過少申告、保険金等の未申告がございます。中には、給与証明書や領収書を改ざんするなどの例も報告されているところでございます。  さて、この要因についてでございますが、生活保護は被保護者からの正しい申告や届け出を前提とした制度でございます。このため、収入や世帯状況に変化があった場合には、届け出の必要性があることについて、開始時や訪問時などあらゆる機会を通じて周知徹底を図っているところでございます。  しかしながら、一部の被保護者の中には、生活保護制度が市民の信頼の上に成り立つものであることや、届け出などのさまざまな義務が課されていることを十分に認識していないために、不正受給が発生するというふうに考えられます。  札幌市としましても、制度に対する被保護者の理解が深まるよう、なお一層努力してまいりたいと考えております。
    ◆佐々木みつこ 委員  320件、約0.9%の不正受給ということで、ですから、100%で考えますと、実に石狩市の全人口に匹敵する生活保護世帯数が札幌市にあるということにまずはちょっと驚くところでございます。  ご答弁にございましたとおり、保護を受けている世帯の99%は受けるべき方が適切に保護を受けている現状でございますが、一方、この約1%につきまして、金額にして2億7,000万円、私はこの金額は決して少なくないというふうに思います。また、99%の方にとっては、この1%の方のために、自分も不正にというふうに思われているというふがいない状況になっているとも思います。また、市民の方々からは、1%以上ではないかというような率直なご意見もいただいているところでございます。市民の信頼は既にかなり薄れてきているのではないかと心配するところでございます。  また、積極的に証明書の偽装など不正を働いている方は、そのうち6%というふうに伺っていますが、市民の血税をいただいているという観点からは、収入があることや家族がいることを申告しないなどは、反社会的行為でもあるというふうにも言えます。本市の担当者は、こうしたことを見逃さないで水際で防いでほしいというふうに思いますが、緊急のセーフティーネットという性格上、支給審査に過度に慎重をきわめるというのもそぐわないというふうに考えます。  窓口には、相談に来る方も含めて、生活保護の現場で職員が対応する相手は実にいろいろな方々がいらっしゃると思います。今回、滝川市の方も、元暴力団員であり、養子縁組をされているとか、その後の組との関係なども報道されています。暴力団員やその周辺者にかかわらず、威圧的な態度で不当な内容の要求を迫るなど、粗暴なケースに生活保護課の担当者が対応することもあるのではないかと察します。そうした背景から、暴力に屈して不正受給がなされてしまうケースがあるのではないかと推察するのですが、この点についてお伺いしたいと思います。  また、暴力団員や威圧的な言動を繰り返す者への本市の具体的な対応や取り扱いはどうなっているのか、お聞かせ願います。 ◎浜崎 総務部長  暴力団やその関係者、あるいは、威圧、脅迫的な言動を繰り返す者に対する取り組みについてでございますが、札幌市では、厚生労働省の通知に基づいて警察との連携を図りながら組織的対応を行い、生活保護の不正、不当な受給防止に努めているところでございます。  まず、暴力団員やその関係者についての対応でございますが、暴力団は反社会的行為により市民生活の安全を脅かす集団であり、この構成員に対して保護を適用すことは社会正義の観点から決して許されるものではないことから、これまでも生活保護の適用を認めてこなかったものであります。平成18年3月には厚生労働省からの通知があり、暴力団員には保護を適用しないことが明示されましたので、札幌市は従来の取り組みについて改めて整理をしたところでございます。  また、威圧かつ暴力的言動を行う者への対応でございますが、平成17年度から警察官OBを特別指導員として採用し、相談時の同席、家庭訪問への同行を行いまして、適正な保護の実施を確保してきたところでございます。この特別指導員の導入効果は大きく、ケースワーカーからの要望も多いことから、20年度は1名を増員して2名体制で対応することにしているところでございます。 ◆佐々木みつこ 委員  今のご答弁によりまして、暴力団員への保護の適用を認めないという対応と、また、新年度からはさらに1名増員で警察のOB2名体制で当たるということをお伺いしました。ぜひ、こうした専門の知識、経験を持った人材を適正な制度運用に役立てていただきたいと思います。  生活保護制度は、資産、能力などを活用しても、なお生活に困窮する人に対して、健康で文化的な最低限度の生活を無差別、平等に保障するとともに、自立の助長を目的としております。信頼や善意によって成り立つ制度でもある以上、不正な受給や制度を悪用する者には毅然とした姿勢で徹底排除する必要があり、疑わしい者については見逃さないよう、血税を扱う者としてきちんと調査、対処する必要があると思います。  そこで、最後の質問ですが、収入を偽る、届け出を怠るなどの不正受給だけではなくて、受給は不正ではないとしても、今度は支給されてから家賃や給食費、教材費などの使途が決まっている保護費を目的外で消費するなどの不適切な使用の話も伺います。つまり、例えば、生活保護費として支給されている家賃や、学校のスキー授業、副読本、ワークブック、辞書などを購入するための教材費が不払いということで困っている現場のお話も伺っています。  そこで、その現状把握、不正使用と言うのでしょうか、その防止策や具体的な対応方法などについて、最後にお答えをお願いします。 ◎浜崎 総務部長  ご質問にありました不正受給や制度の悪用を防止するためでありますが、届け出義務の周知、生活実態の把握、不正への厳格な対応、不正受給額の確実な徴収など、これらを徹底して行う必要があります。このため、札幌市では、金融機関約60社への資産調査や年金などの受給状況調査を行っているほか、毎年6月には被保護者全員を対象にして税情報を活用した収入調査を実施しているところでございます。また、生活状況を確認するため、ケースワーカーによる訪問活動を行っておりますが、民生委員からの情報提供や市民から寄せられる苦情なども参考にしながら、その実態の把握に努めているところでございます。  さらに、保護費の中で使途が限定されている住宅扶助費、教育扶助費を生活費に充てることは法の趣旨に反することから、市営住宅家賃や給食費を被保護者にかわりまして納入先に直接支払っており、保護費が本来の目的に確実に使われるよう取り扱っているところでございます。  今後とも、不正受給などの未然防止とその厳格な対応を徹底し、市民から信頼される生活保護制度の運用に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆佐々木みつこ 委員  最後に、要望です。  本市では、毎年2億円余り、18年度においては2億7,000万円の不正受給額がございます。この金額と過年度から継続して残っている返還されるべき不正受給返還金については、市民の血税をしっかり市政に生かしていくという見地からも徹底回収し、本来の市民サービスに活用できるようにお願いを申し上げます。  そういった意味でも、不正受給をさせないため、支給後の確認、地域からの情報収集をお願いするとともに、一たん、受給された保護費が適正使用されているかどうかの定期的チェック体制をお願いしたいと思います。例えば、就学援助などでは、チケット制で支給するなど確実にその費用になる仕組みをとられていますが、そのような方法の改定も含めて、担当者の訪問や地域からの情報収集、連携などの体制とともにご検討をいただきたいなと思います。  また、この平成19年度当初の返還金は、生活保護は約10億円ですが、分割などいろいろ事情はあるにしても収納率は19年度で40.2%という状況でございます。この返還金の徴収対策について、専門的な知識や経験を有する人材の活用を検討すると前回の代表質問のご答弁でもございましたけれども、私は、先ほどの林家委員の指摘にもございました障がい認定の不正受給額の返還も含めて、ぜひとも専門の職員を配置して徴収体制を一層強化していただくように要望して、質問を終わらせていただきます。 ◆宮川潤 委員  私も、生活保護に関して質問いたします。  昨年度、生活保護を受給していた世帯で、その生活保護を廃止された世帯が3,426世帯、その理由として一番多いのが死亡、失踪で28%を占めているそうですが、その次が稼働収入増、働いてその収入があるということで廃止されたという方が26%です。  本市においても、全盲を装って生活保護の障害加算などをだまし取った男が逮捕されるということもありました。その一方で、病気があって働けない方が、働くことを繰り返し求められてつらい思いをしているということも聞いております。保護受給者が健康で就労できるのか、あるいはできないのか、正確で慎重な判断が求められていると思います。  そこで、受給者が、ぐあいが悪いために働けない、そう訴えたときにはどういう対応がなされるのか、医師の診断に基づくべきと思うのですが、その手続がどう行われるのか、診断結果の報告がどのように行われるのか、お示しください。 ◎浜崎 総務部長  手続について、医師の診断等に基づくべきというか、その対応という問題でございます。  保護受給者のうち9割の方が何らかの病気で病院に通院しておりますので、一般的には、ケースワーカーが、直接、主治医訪問を行って病状を把握し、保護の実施機関である区保護課において医療の要否を判定している医師との協議によりまして稼働能力を判断することになります。  通院していない場合で、稼働能力の活用が可能と見込まれる方に対しましては、稼働指導を行っていくことになります。中には、病院に通わないでぐあいが悪いために働けないと訴える方もおり、その場合には、法に基づきまして健康状態を調査するために区保護課の指定する病院を受診するよう検診を命じ、病院に検診書を発行して稼働能力の可否と程度の記載について依頼することになります。これに対しまして、病院の方からは、傷病名、病状、診察の要否、診察方法等に関する意見、診察日、稼働能力の可否と程度について記載した検診書が返送されてくることになっているところでございます。 ◆宮川潤 委員  9割の方が通院されているということですけれども、通院されていない場合については、検診を受けるようにということで検診命令が出され、その検診書が区役所に直接送付されてくるということです。  今の答弁でありましたけれども、私は検診書の書式を見せていただきましたが、医療機関が書くのは4項目、傷病名、病状、診察の要否、診察の方法等に関する意見、4番目が検診日、このようになっていて、これについて医師が記入するということであります。  その人、その人、個々のケースによって具体的な問題は分かれると思うのですけれども、就労が可能かどうか、あるいは、どういう仕事だったらできるのか。軽労働だったらできるのかとか、デスクワークならできるのかというようなこともあるでしょう。あるいは、1日何時間ぐらいだったら働けるのかという判断もお医者さんのところであるでしょう。あるいは、週何日程度だったら働けるのかというような判断もあるでしょう。あるいは、人によっては、受診ということ以外、治療以外に介護を受ける必要があるというようなこともあると思います。こういう具体的な判断が迫られるというふうに思います。  問題は、その9割の方はずっと通院しているわけですから、恐らく、医療機関側はその病状を把握しているでしょう。しかし、検診命令によって受診した場合は、それまでは通院していないわけですから、検診命令で1回受診しても、その1回の受診だけで医師が就労可能かどうか、あるいは、どの程度の稼働ができるのか、どういう労働ならできるのかというような判断は、私はそう容易ではないというふうに思うのであります。  検診書に、地区担当員記事、つまり役所の側が何かこういうことを書いてもらいたいというようなことを書くような欄があります。そこに稼働能力の有無などというようなことを書いて求めるということがあると思うのです。しかし、書いて稼働能力の有無や程度についての判断を求めても、今申し上げたように、1回だけの受診で、医師が、はい、どの程度と正確に記述するのはなかなかできないのではないか。つまり、地区担当員記事として求めても、必ずしも答えてはもらえないというか、正確な立ち入った判断には至らないような場合もあると思うのですが、いかがか。そういった場合の対応はどうなるのか、伺います。  さらに、昨年6月から稼働能力の有無及びその程度を客観的に見きわめるということを目的にした会議が開催されているそうですけれども、その会議はどのように行われているのか、その概要についてもあわせてお示しください。 ◎浜崎 総務部長  検診を行った医師が稼働能力の有無や程度について判断ができないことがございますが、この場合は、実施機関医とも十分協議を行いながら通院するよう指導することになります。その後、ケースワーカーが主治医訪問を行いまして、病状を把握し、実施機関医との協議を行って稼動能力について判断しているところであります。  次に、稼働能力判定会議の概要でございますが、自立支援プログラムの一貫として、平成18年度において厚生労働省から提唱があったものでございます。札幌市では、平成19年度から試行として実施しているところでございまして、この会議では、稼働の可否や程度、さらには適正職種などについての検討を行っているところでございます。 ◆宮川潤 委員  検診命令で受診した場合ですけれども、医師が一度の検診で判断できないこともあるということでありました。その場合は通院を指導するという答弁でありました。やはり、1回では判断できないので、時間をかけてよく調べていただいて、何回かの受診の中で医師が判断していく、立ち入った診察や立ち入った検査が必要だ、時間もかかるというのは、私は当然だろうというふうに思います。医師でも、そう容易には診断が下せないこともあるということであります。  私は、稼働能力についての実施機関の判断及び就労指導については、慎重の上にも慎重を期すことが必要だと思いますがいかがか、伺います。  次に、稼働能力判定会議についてですけれども、年度で言うと今年度から可否、程度について判断しているということでありますけれども、さらに、試行的にということでありますから、全区展開はされていないというふうに思います。どこの区で、病気で言うとどういう疾患を対象にして行っているのか、どういう職員や医療従事者で判定会議を構成しているのか、どういう判定事項で判定しているのかというようなことについて、ぜひ具体的に明らかにしていただきたい。また、その会議の開催頻度、何人の受給者を対象にしてきたのかという点についても明らかにしていただきたいというふうに思います。  また、非常に難しい判断を求められる会議だというふうに思いますけれども、今後のこの会議のあり方についてはどのように考えておられるのか、伺います。 ◎浜崎 総務部長  先ほども申し上げましたように、ごくまれにではございますが、検診命令によっても稼働能力が不明の場合がございます。この場合、稼働についての指導や援助の方針を定められないことから、病状を把握していく必要があります。このため、通院をしている医師の診断を受けるよう指導し、ぐあいが悪いというのがどのような病気によるものなのか、これを明らかにしていくことになります。  次に、稼働能力判定会議の試行状況でございますが、今年度は、整形外科と精神科の二つの診療科目とし、整形外科については白石区で、精神科については北区で担当しておりますけれども、全区の保護受給者も含めて実施しているところでございます。メンバーは、外部医師、実施機関医、就労支援相談員、保護課職員から成りまして、月に1回、1〜2名程度を対象にこれまで2区で計8回を開催しまして、9名について病状や職歴等をもとに稼動の程度や適正職種について検討を行っているところでございます。  今年度、会議を実施する中で、判定などの見きわめ方が困難な事例があることから、20年度につきましては、対象とする診療科目等も含め、どうあるべきかを検討してまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆宮川潤 委員  検診命令で検診を受けた場合に、それで稼働能力等の判断ができることもあるけれども、まれであるということであります。私は、そのとおりだろうなというふうに思いますよ。医師でも、1回ではそう簡単には判断できない、判断できることはまれであるというのは当然だと思います。  ですから、改めて、重ねて伺います。  そういう状況でありますから、実施機関の判断及び就労指導については慎重の上にも慎重を期すことが必要だと思いますが、いかがかということが一つであります。  次に、稼働能力判定会議ですが、伺ったところ、整形外科と精神科の疾患について対象にしているということであります。私は医師ではないのでよくわかりませんけれども、何となく、整形外科であればけがのぐあいも見えるかなと思うのです。ですから、ほかの疾患との比較で言うならば、比較的、稼働能力の判定のしやすさがあるのかもわかりません。  しかし、精神科の場合は、私は、そう容易には、その人が、精神科の疾患を持っている方が働けるのか、働けないのか、これはその患者本人を診ている医師でも判断が難しいのではないかというふうに思うのです。それが、この稼働能力判定会議というのは、受給者本人を含めてやっているわけではないですね。つまり、書類審査、あるいは、事前に何度か接しているケースワーカーの判断などもあるでしょうけれども、そういう資料はあるにせよ、精神科疾患を持っている方が働けるかどうか、あるいはどの程度働けるのかという判断をするのは難しい話だと私は思いますよ。  もし万一、判定会議として結論を出したとしましょう。しかし、その結論というのが受給者本人の考え方と違った場合、例えば、自分は働けないと判断している、しかし、判定会議は働けると判断した場合、そこではなかなか簡単にはいかないでしょう。間に入って調整するというか、指導に入るというケースワーカーは、大変な苦労で。恐らく深刻な悩みを持つだろうというふうに私は思うのですね。  やはり、今後のあり方はどうあるべきか。私は、この会議自体、見きわめが困難だという場合もあるという答弁でありましたから、ずばり言うと、判定会議そのものを見直す必要があるのではないか、そういう視野での検討が必要ではないかというふうに思いますがいかがか、伺います。 ◎浜崎 総務部長  病状把握の関係でございますが、確かに、慎重に慎重を重ねることが必要であります。ただ、ぐあいが悪いというだけではよくありませんので、やはり、医師の判断を受けて、なぜぐあいがわるいのか、そういうところを見きわめていく必要があると思います。保護を受けている方は能力の活用ということがございまして、稼働能力の活用もその大きな一つでございます。そのような観点から、やはり、病状の把握において協力していただいて、病院にかかって自分のぐあいの悪い程度を明らかにしていただく、このようにしていただきたいと思っているところでございます。  また、稼働能力判定会議の件でございますが、今回の診療科目2科目につきましては、ケースワーカーにアンケートをとりまして、その中で多かったものについて試行的に行ったものでございます。この判定会議については、先ほども答弁いたしましたが、20年度は診療科目等も含めてどうあるべきか考えていきたい、このように考えているところでございます。 ◆宮川潤 委員  体の痛みとかつらさとか、それは本人しかわからない、レントゲンをとっても痛みは写らないのですよ。  就労指導のあり方については、私は、不正を許さない厳格さがなくてはならないと思います。同時に、受給者の声を尊重する慎重さも必要だというふうに思います。この二つを同時に満たすのは非常に大変なことだというふうに思いますけれども、生活保護行政が憲法第25条にのっとった基本的人権のかなめとしての役割を果たすように申し上げて、終わります。 ○大嶋薫 委員長  以上で、第4項 生活保護費の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し、次回は、次週3月11日火曜日午前10時から、保健福祉局関係のうち、保健福祉部、健康衛生部及び衛生研究所の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後5時38分...